プロ野球選手からキクラゲ農家へ。異色の転身を果たした元ソフトバンクホークスの中原大樹さんの挑戦と成功の物語をご紹介します。国産キクラゲへの情熱、そして仲間からの熱いサポートが、彼の人生に新たな彩りを添えました。
プロ野球引退から農業への転身
2010年、育成ドラフトでソフトバンクホークスに入団した中原大樹さん。牧原大成選手、甲斐拓也選手、そしてメジャーリーガーの千賀滉大投手らと同期入団を果たしました。4年間のプロ野球生活を経て引退、その後は大手引っ越し会社に勤務していました。しかし、2020年、義父と共にキクラゲ栽培という新たな挑戦へと舵を切りました。
元ソフトバンクホークス中原大樹さんのキクラゲ農園
糸島の大地で育む、こだわりの国産キクラゲ
福岡県糸島市、可也山の麓にある「結樹農園アグリス」が中原さんの農園です。ラーメンや中華料理でおなじみのキクラゲは、栄養価も高く近年注目を集めています。中原さんは、米糠とおが屑を発酵させた菌床を使い、年間30トンものキクラゲを生産しています。
肉厚で食感抜群！その秘密は？
「うちのキクラゲは肉厚で食感が素晴らしいと好評です」と中原さんは自信を持って語ります。その秘密は、可也山から湧き出るミネラル豊富な地下水と、徹底した温度・湿度管理にあります。キクラゲ栽培は湿度80%、温度25～30度を保つ必要があり、非常に繊細な管理が求められます。
中原さんが栽培する肉厚なキクラゲ
国産キクラゲへの情熱
現在、国内で消費されるキクラゲの95%は中国産。国産キクラゲはわずか5%しかありません。中原さんは、この現状を打破し、高品質な国産キクラゲを広めたいという強い思いから、キクラゲ栽培に挑んでいます。
仲間の応援が力に
事業を軌道に乗せるまでには、様々な苦労もあったことでしょう。しかし、中原さんを支えたのは、元チームメイトたちからの熱い応援でした。自ら育てたキクラゲを選手たちに送り、SNSで感想を共有してもらうことで、大きな力をもらったといいます。メジャーリーグで活躍する千賀投手も、SNSで応援メッセージを送ってくれたそうです。
地産地消と地域貢献への想い
中原さんのキクラゲは地元の飲食店でも使用され、地域経済の活性化にも貢献しています。地産地消を推進し、地域に根ざした活動を行うことで、更なる発展を目指しています。
元プロ野球選手の新たな挑戦、未来へ
プロ野球選手からキクラゲ農家へ。一見すると異色のキャリアチェンジですが、中原さんの挑戦は、夢を諦めずに努力を続けることの大切さを教えてくれます。そして、仲間の支えがあれば、どんな困難も乗り越えられるということを証明しています。今後、中原さんの作る国産キクラゲが、より多くの人々に届くことを期待しています。
