市川由紀乃さんといえば、「命咲かせて」や「心かさねて」などのヒット曲で知られる実力派演歌歌手。紅白歌合戦出場や日本レコード大賞最優秀歌唱賞受賞など、輝かしい経歴を持つ彼女が、昨年卵巣がんとの壮絶な闘病生活を送っていたことをご存じでしょうか。今回は、市川由紀乃さんの闘病体験、そして復帰への道のりについて詳しくお伝えします。
身体からのSOSを見過ごしてしまった日々
市川さんは、がん告知の約1年前から生理不順、不正出血、腰痛、鼻血といった症状に悩まされていたそうです。しかし、50代を目前に控えていたこともあり、更年期障害によるものと思い込んで病院へ行くことをためらっていたといいます。
「今振り返ると、病気が見つかり仕事ができなくなってしまうことへの恐怖心から、現実から目を背けていたのかもしれません」と市川さんは当時を振り返ります。
alt=入院中の市川由紀乃さん。藤あや子さんから贈られたパジャマを着ている。(市川由紀乃さん提供)
由紀さおりさんの言葉が背中を押した
症状が悪化する中、市川さんは歌謡界の大先輩である由紀さおりさんに相談。すると、由紀さんはすぐに病院で検査を受けるよう勧めてくれたそうです。由紀さんの後押しのおかげで、市川さんは婦人科を受診。そこで卵巣腫瘍の疑いがあると診断され、精密検査を受けることになりました。
「由紀さんの言葉がなければ、発見はもっと遅れていたかもしれません」と市川さんは感謝の気持ちを語っています。
がん告知と手術、そして女性の臓器をすべて失う決断
精密検査の結果、右の卵巣に悪性腫瘍が見つかり、手術が必要であることが判明。医師からは、卵巣だけでなく子宮やリンパ節、腹膜など周辺組織も切除する可能性があると告げられました。
手術の結果、腫瘍は卵巣内に留まっておりステージ1でしたが、再発防止のため、市川さんは女性の臓器をすべて失うという大きな決断を下しました。
闘病生活と復帰への道のり
手術後、市川さんは辛い抗がん剤治療に立ち向かいながら、復帰を目指してリハビリに励みました。その間、多くのファンや関係者からの温かい励ましが、彼女の大きな支えとなったそうです。
そして、ついに昨年末に治療が一段落し、活動再開が目前に迫っています。「ファンの皆様に再び歌声を届けられる日が待ち遠しい」と語る市川さんの表情には、力強い決意がみなぎっていました。
新たなステージへ
卵巣がんという大きな試練を乗り越え、再びステージへと戻ってきた市川由紀乃さん。彼女の歌声は、これまで以上に多くの人々に勇気と希望を与えてくれることでしょう。今後の活躍に期待が高まります。