40人以上を一斉逮捕
1年の月日を費やした執念の捜査が、違法カジノグループを一網打尽にした――。
大阪市北区にある違法なインターネットカジノ店などで客に賭博をさせたとして、大阪府警は店舗責任者の久井遊紀容疑者(43)を含む従業員ら31人を常習賭博の容疑で1月20日までに逮捕した。大阪府警は久井容疑者らのほかにも、店で賭博を行っていた10人の客を単純賭博の容疑で逮捕している。
【摘発の瞬間…!】40人以上が逮捕された”闇カジノ” 一斉捜査の「現場写真」
「久井容疑者らのグループは大阪市北区で『DOUBLE』や『JP』など、5つのカジノを運営していました。大阪府警は『大阪市内に違法なカジノ店がある』という情報をもとに、昨年初旬から内偵捜査を続けていた。それからおよそ1年後の1月18日午後5時頃、捜査員が各店舗や従業員らの自宅などに一斉に踏み込み、パソコンやスマートフォン、現金合わせて5300万円を押収しました」(全国紙社会部記者)
摘発された店は24時間営業の会員制。客は店でポイントを購入し、店内に設置されたパソコンでオンラインカジノサイトにアクセスする。スロットやバカラ、ブラックジャックなどで獲得したポイントを店内で換金していたという。
◆客の職場まで調べ上げる
捜査の過程では、摘発を防ぐための高い計画性も明らかになってきた。
「グループが運営していた店は、目立たないようにすべてが雑居ビルの3階か4階のフロアにありました。看板もなく、パッと見ただけでは何の店か分からない。店の周囲には監視カメラがいくつも取り付けられ、出入口は二重扉になっていた。入店の際はインターホン越しに合図を交わし、身分証明書を提示して本人を確認するなど、摘発されないよう細心の注意を払っていた。店側は会員の顔写真を撮影し、職場まで調べ上げていました」(同前)
従業員の路上での声かけや、常連客の紹介などで顧客を集めていたが、店側の厳しいチェックを通過しなければ入会できなかったという。
「運営側が恐れていたのは何百万円も負けた客が腹いせに警察に通報すること。それを防ぐために、会員は厳しく選定されていました。内偵捜査で潜入した捜査員は、怪しまれないよう1年以上かけてカネの流れを掴み、普段はほとんど店に顔を出さない幹部が現金を回収しに来るタイミングを見計らって摘発に踏み込んだ。
容疑者らは足がつかないよう、カネのやりとりはすべて手渡しで行っていました。違法カジノ店の摘発では、現場レベルの責任者を逮捕しても、大元の尻尾は掴めずに終わりということが多いのですが、執念の捜査の結果、今回は経営に関わっていた上層部の幹部も逮捕することができた」(捜査関係者)
大阪府警は、久井容疑者らのグループが“トクリュウ”や暴力団と繋がっている可能性もあるとみて、実態解明の捜査を続けている。
FRIDAYデジタル