高齢の親のことが気になり始め、漠然とした不安を抱えている方も多いのではないでしょうか? 親の介護は、突然やってくることが多いもの。病気や認知症などがきっかけで、準備不足のまま介護生活が始まり、「もっと早くから準備しておけば…」と後悔するケースも少なくありません。 そこで今回は、岩手・東京間の遠距離介護を12年間経験した工藤広伸さんへのインタビューを基に、介護初心者のための最初の一歩を分かりやすく解説します。 親の介護に戸惑っている方、これから親の介護について考え始める方にとって、きっと役立つヒントが見つかるはずです。
なぜ当事者の声が必要なのか?
介護に関する情報は、書籍やインターネットで簡単に見つけることができます。 しかし、実際に介護を経験した人の生の声は、なかなか見つかりにくいのが現状です。 医学的な知識や専門家のアドバイスはもちろん重要ですが、介護の現場は想定外の出来事や感情の揺れ動きで満ち溢れています。 工藤さんは、自身の経験から「きれいごとだけではない介護の現実」を発信することの重要性を訴えています。 実際、講演会などでも「当事者の話が聞きたかった」という声が非常に多いそうです。
インターネット検索では見つからない情報
インターネットで「介護」と検索しても、専門家や企業のサイトが上位に表示されることが多く、当事者のブログや体験談は埋もれてしまいがちです。 工藤さんはご自身を「第3の男」と呼んでいます。自治体の介護講演会では、①医師、②専門家、そして最後に③介護経験者である工藤さんのように、実際に介護をしている人の話が聞ける、という順番が多いからだそうです。 まるで商品を買う前に、メーカーの公式情報だけでなく、実際に使った人のレビューも参考にしたい、という気持ちに似ていますね。
alt介護経験者の生の声は、高齢の親を持つ家族にとって貴重な情報源となります。講演会の様子や介護の日常風景など、当事者ならではの視点を写真で表現しています。
専門書と現実のギャップ
介護の専門書には、「認知症の人が妄想を話しても否定してはいけない」といったアドバイスが書かれています。 これは認知症の方にとっては、妄想が現実として認識されているためです。 しかし、実際に介護の現場では、教科書通りの対応が難しい場面も多々あります。 例えば、認知症の親が「家に知らない人がいる」と言い出した時、どのように対応すれば良いのでしょうか? 専門書通りに否定せず受け入れるべきか、それとも現実を丁寧に説明すべきか、判断に迷うこともあるでしょう。 このようなジレンマに直面した時、当事者の体験談は大きなヒントとなります。 具体的な事例を知ることで、より柔軟で適切な対応ができるようになるはずです。
親の介護、最初の一歩を踏み出そう
親の介護は、いつ何時始まるか分かりません。 だからこそ、早めの準備が大切です。 まずは、親の健康状態や生活状況を把握することから始めましょう。 そして、いざという時に備えて、地域の介護サービスや相談窓口の情報も確認しておくと安心です。 親とのコミュニケーションを大切にし、日頃から信頼関係を築いておくことも重要です。 介護は決して楽なことではありませんが、親子の絆を深める貴重な機会でもあります。 前向きな気持ちで、一歩ずつ進んでいきましょう。