上皇陛下と悠仁さま:虫の音響く吹上御苑での温かな交流

皇室の方々にとって、都心の喧騒から離れた吹上御苑は特別な場所です。高層ビル群とは対照的に、豊かな自然が広がるこの森は、まさに都会のオアシス。深い緑に囲まれた御所では、虫の音色が心地よく響き渡り、皇族の方々に安らぎを与えています。

生態系の宝庫、吹上御苑

吹上御苑は、単なる庭園ではなく、多様な動植物が生息する貴重な生態系を有しています。武蔵野の在来種はもちろんのこと、海辺や外来の生き物も共存し、驚くべき生物多様性を築き上げています。カワセミやオオタカといった野鳥、タヌキやハクビシンなどの哺乳類、そしてゲンジボタルやベニイトトンボ、カブトムシ、クワガタといった昆虫たちが、この都会の森で生き生きと暮らしています。

吹上御苑のような緑豊かな森吹上御苑のような緑豊かな森

2013年9月10日の夜、歴史研究家の半藤一利氏と共に御所を訪れた著者は、上皇陛下(当時は天皇陛下)と上皇后陛下(当時は皇后陛下)と懇談の機会を得ました。応接室に響き渡る虫の音色に耳を傾けながら、陛下は様々な虫の名前を解説してくださり、自然への深い造詣を披露されました。

悠仁さまとの心温まるエピソード

陛下は、悠仁さまとの特別な時間を語ってくださいました。秋篠宮家の悠仁さまが御所を訪れた際、陛下は悠仁さまと2人きりで森を散策し、様々な虫の種類について教えられたそうです。当時7歳になったばかりの悠仁さまは、虫かごを手に、目を輝かせながら陛下に質問をされていたとのこと。

「悠仁は虫に興味津々で、『これは何という虫?』とよく聞いてくるんですよ。私は全て教えました。子供は本当にかわいいものですね」と、陛下は優しい笑顔で語られました。 虫の音に包まれた静かな森の中、陛下と悠仁さまの温かい交流が目に浮かびます。生物学者である上皇陛下が、悠仁さまに自然の素晴らしさを伝えている情景は、まさに皇室の未来を象徴するかのようです。

悠仁さまと虫かご悠仁さまと虫かご

このエピソードからも、上皇陛下が自然を愛し、未来を担う子供たちの成長を願う温かいお気持ちが伝わってきます。吹上御苑という特別な場所で育まれる絆は、日本の未来にとって希望の光となることでしょう。