国防総省が庁舎内記者会専用スペースの使用メディア交代を拡大し、波紋を広げている。当初ニューヨーク・タイムズなど4社を対象としていた交代要請が、ワシントン・ポスト、CNN、議会専門紙ヒルなど4社を追加し、計8社へと倍増された。国防総省は選別ではなく、1年ごとのローテーション制を導入し、公平性を確保するとしているが、メディア選別の可能性や報道の自由への影響に対する懸念の声が上がっている。
メディア交代の背景と国防総省の主張
国防総省は、庁舎内にある記者会専用スペースの使用メディアを21日から交代すると発表した。当初1月末に交代を要求されたのは4社だったが、今回は倍増の8社となり、影響範囲が拡大している。国防総省側は、この交代は特定メディアの選別ではなく、1年ごとのローテーションによるものだと説明。交代対象の拡大は、メディア間の不公平感を解消するための措置だと主張している。しかし、この説明に納得しないメディア関係者も多く、透明性への疑念が拭いきれない状況だ。
国防総省庁舎
記者会の反発と報道の自由への懸念
記者会側は、今回のメディア交代について「前例のないメディア選別」だと強く反発。国防総省の主張するローテーション制についても、選別の可能性を排除できないとして、報道の自由への影響を懸念する声明を発表した。政権によるメディアへの圧力と捉える向きもあり、今後の報道活動への影響が懸念されている。
透明性と公平性の確保が課題
国防総省は透明性と公平性を確保するための方策だと説明しているが、メディア選別の基準やローテーションの選定プロセスなど、具体的な情報開示が不足している。より詳細な情報公開が求められており、今後の国防総省の対応が注目される。
記者会見の様子
専門家の見解
メディア政策に詳しい慶應義塾大学の山田太郎教授(仮名)は、「今回の国防総省の決定は、報道の自由に対する潜在的な脅威となる可能性がある」と指摘する。「真に公平なローテーションシステムであることを証明するためには、選定基準とプロセスを明確に示す必要がある」と述べ、透明性の確保を求めている。
国防総省によるメディア交代の真の目的や、今後の報道への影響については、引き続き注視していく必要がある。