韓国では、国内消費が低迷する一方で、海外旅行への支出が増加しているという興味深い現象が起きています。2023年、韓国人の海外カード決済額はなんと20兆ウォンを突破! 過去の統計と比較すると、驚異的な伸び率であることが分かります。一体なぜこのような現象が起きているのでしょうか? 本記事では、その背景や現状、今後の展望について詳しく解説していきます。
増加する海外旅行需要と低迷する国内消費のギャップ
2023年の韓国人の海外カード決済額は、前年比23.4%増の20兆2000億ウォンを記録しました。2022年には16兆3700億ウォン、2021年には11兆6000億ウォンだったことと比較すると、2年間で約2倍に増加していることが分かります。
韓国の海外旅行
一方、国内のカード利用金額は前年比わずか4%増にとどまり、低迷している状況です。海外旅行への消費だけが突出している現状に、専門家からは内需の停滞を懸念する声も上がっています。
なぜ海外旅行だけが好調なのか?
韓国統計庁によると、2023年の海外渡航者数は2869万人で、2019年の過去最高記録2871万人とほぼ同水準にまで回復しました。パンデミック後の旅行需要の反動に加え、円安ウォン高などの為替相場の影響も大きいと考えられています。
旅行客
韓国の旅行業界関係者、キム・ヨンジン氏(仮名)は「パンデミックで抑圧されていた旅行需要が爆発的に増加している。特に、近場の日本や東南アジアへの旅行人気が高い」と分析しています。
お得なトラベルチェックカードの普及も追い風に
海外ATM出金手数料の無料化や、海外決済手数料の優待など、お得な特典が満載のトラベルチェックカードの普及も、海外カード利用額の増加に拍車をかけています。銀行で両替するよりも手軽で、手数料も抑えられるため、旅行者の間で急速に利用が広がっています。
クレジットカード vs チェックカード
海外で使用されたクレジットカードの決済額は前年比10.4%増でしたが、チェックカードはなんと75.1%増と驚異的な伸び率を記録しました。利便性とコストパフォーマンスの高さから、チェックカードを選ぶ旅行者が増えていることが分かります。
チェックカード
今後の展望
海外旅行ブームはしばらく続くことが予想されますが、国内消費の低迷は深刻な問題です。韓国政府は、内需活性化のための対策を急ぐ必要があります。経済アナリスト、パク・スンチョル氏(仮名)は「海外旅行への支出増加は、国内経済にとってはマイナス要因となる可能性もある。国内消費を喚起するための政策が不可欠だ」と指摘しています。
まとめ
韓国では、海外旅行需要の増加と国内消費の低迷という対照的な現象が起きています。旅行好きにとっては嬉しい状況ですが、国内経済への影響も懸念されます。今後の動向に注目していく必要があるでしょう。