【ワシントン=黒瀬悦成】ポンペオ米国務長官は5日、中国共産党政府によるイスラム教少数民族ウイグル族への人権弾圧に関し声明を発表した。
ポンペオ氏は、中国当局によるウイグル族活動家の親族や、自治区の収容施設での体験談を発表した出所者に対する嫌がらせや投獄、恣意(しい)的な拘束が相次いでいるとする複数の報告があるとして、「深く苦悩している」と表明した。
ポンペオ氏は、こうした迫害が「国務省高官との面会直後に起きた事例が複数回ある」と指摘。また「中国共産党による弾圧政策の犠牲となった勇敢な人々やその家族に対し、心からの弔意を表する」とした。
その上で、「米国は中国政府に対し、中国国外に住するウイグル族に対する全ての迫害をやめ、恣意的に拘束された全ての人々を解放するよう改めて要求する」と訴えた。
一方、中国の人権状況を監視している「中国問題に関する議会・行政府委員会」(CECC)は5日、税関・国境警備局(CBP)に書簡を送り、自治区で拘束されているウイグル族を強制的に働かせて製造された中国製の衣料品の米国への輸入を禁じるよう要請した。
書簡によると、問題の衣料品は米国内のスポーツ用品大手アディダスやアパレル大手H&M、エスプリなどの店舗や通販サイトで販売されているという。