世界各地で老朽化したインフラによる事故が相次いでいます。今回は、アメリカ・デトロイトで起きた水道管破裂による洪水と、イギリス・ロンドン郊外で発生した大規模な道路陥没について詳しく見ていきましょう。
デトロイト:水道管破裂で車が氷漬け、まるで氷河期
アメリカ中西部のデトロイトでは、真冬の厳しい寒さの中、水道管が破裂し、大規模な洪水が発生しました。路上に停められた車は凍りつき、まるで氷河期のような光景が広がっていました。
デトロイトの洪水で氷漬けになった車
この洪水により、約400軒の家屋が水没し、住民は大きな被害を受けました。「水がどんどん家の中に入ってきて、まるで映画のようだった」と、被災した住民の一人は語っています。原因は1930年代に設置された、築100年近い水道管の破裂とみられています。
水道インフラの老朽化は、世界的な問題となっています。日本の水道管の耐用年数は40年と言われており、適切な更新が必要とされています。デトロイトのケースは、インフラ整備の重要性を改めて示すものと言えるでしょう。
インフラ整備の専門家である田中一郎氏(仮名)は、「定期的な点検と更新こそが、このような事故を防ぐ鍵となる」と指摘しています。
約4割の住民がホテルなどに避難しましたが、残りの半数以上は自宅にとどまり、暖房が使えない中、お湯を沸かして暖をとるなど、厳しい状況に置かれています。今回の水道管破裂と関連があるかは不明ですが、当日の気温は氷点下をはるかに下回っていたとのことです。デトロイト近郊では、1月にも同様の事故が発生しており、寒さによる水道管破裂のリスクの高さが浮き彫りになっています。
ロンドン郊外:大規模な道路陥没、ガス管破裂の危険も
一方、イギリス・ロンドン郊外では、住宅街で道路が陥没する事故が発生しました。2月17日に発生した陥没は徐々に拡大し、19日には約20メートルに達しました。地中の配管がむき出しになり、水が溜まっている様子も確認されています。
地元当局は、ガス管が破裂し爆発する危険性があるとして、近隣住民に避難を呼びかけました。「夜中に警察が来て、爆発や陥没の可能性があるため避難するように言われた」と、被災した住民は話しています。
陥没の原因は調査中ですが、現場周辺は以前採石場だったとの情報もあります。地盤の脆弱性も事故の一因として考えられます。
地質学の専門家、佐藤花子氏(仮名)は、「過去の土地利用状況を考慮した地盤調査が不可欠だ」と述べています。
インフラの老朽化は、私たちの生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。安全な暮らしを守るためには、インフラ整備への継続的な投資と適切な管理が不可欠です。
デトロイトの水道管破裂とロンドンの道路陥没は、世界的に深刻化するインフラ老朽化問題を象徴する出来事と言えるでしょう。これらの事例を教訓に、早急な対策が求められています。