中村うさぎ氏は、2013年にスティッフパーソン症候群の疑いがあると診断され、車椅子生活を余儀なくされています。トイレに行くのも困難な状況の中、献身的に介護を続けるのは、ゲイであることを公表している夫。一見「普通」とは異なるこの夫婦関係に、真の夫婦愛の姿が見えてきます。本記事では、中村氏と夫の出会いから現在に至るまでの軌跡、そして彼らが築き上げてきた独自の夫婦像に迫ります。
香港人男性との出会い、そして結婚へ
中村氏と夫の出会いは、飲み友達として始まりました。まるで親友のような関係性だった二人。転機が訪れたのは、香港人である夫が日本に滞在するためのビザ取得に奔走していた時でした。入国管理局での出来事が、二人の人生を大きく変えることになります。
中村うさぎ氏の近影
当時、夫はビザ取得に難航していました。「スキルのない外国人にはビザは出せない。どうしても日本にいたいなら、日本人女性と結婚すればいい」という入国管理局職員の心無い言葉に、中村氏は憤慨。「じゃあ結婚すればいいんですね!」と啖呵を切ったことが、結婚のきっかけとなりました。
「愛し合っていない」という偏見
二人の結婚は、世間一般の恋愛結婚とは異なるものでした。恋愛感情も性的な関係もなく、子どもも作らない。そのため、「愛し合っていない」「仮面夫婦」といったレッテルを貼られることも少なくありませんでした。しかし、中村氏は疑問を投げかけます。「夫婦愛」とは一体何なのでしょうか?
中村うさぎ氏と夫
献身的な介護、揺るぎない絆
中村氏がスティッフパーソン症候群を発症し、車椅子生活になってからも、夫は24時間体制で献身的な介護を続けています。愛が冷めてしまった夫婦、あるいは関係が破綻している夫婦も少なくない中、中村氏と夫の絆は揺るぎないものとなっています。
真の夫婦愛とは何かを問う
中村氏と夫の関係は、一般的な「夫婦」の枠には収まらないかもしれません。しかし、互いを尊重し、支え合う二人の姿は、真の夫婦愛とは何かを私たちに問いかけます。 困難な状況下でも、ユーモアを交えて前向きに生きる中村氏と、献身的に支える夫。二人の物語は、私たちに多くの示唆を与えてくれるでしょう。