中国の春節、親戚づきあいの現実:想像を絶するおもてなしと驚きの金額とは?

春節(旧正月)といえば、家族や親戚が集まり、盛大にお祝いをする中国の伝統行事。しかし、その華やかな祝祭の裏には、想像を絶するおもてなしの苦労や高額な出費が隠されていることも。今回は、東京在住の張さんが体験した、故郷での濃厚な春節の親戚づきあいについて、そのリアルな実態に迫ります。

10年ぶりの再会と驚愕のお土産の数々

張さんは今年の春節休暇に、故郷である東北部の吉林省へ帰省。3週間の滞在中、10年ぶりに河北省から父方の叔父さん一家9人が訪ねてきました。1200キロの道のりを2台の車で移動してきた彼らの車には、山のようなお土産が積まれていたといいます。スイカ、リンゴ30キロ、白菜、ごま油の大ボトル、健康食品、卵100個…。その量は、日本の感覚では考えられないほど。

お土産の山お土産の山

「日本では大きなお土産は迷惑になるのではと気を遣いますが、中国ではお土産の量=気持ちの大きさ。メンツにも関わるので、多ければ多いほど良いんです」と張さんは語ります。中国の文化、価値観の違いが感じられるエピソードです。フードアナリストの山田さんも「中国では、贈り物は人間関係を築き、深めるための重要なツール。特に春節のような特別な機会には、惜しみなく贈り物をすることで、相手への敬意や感謝を表すのです」と解説しています。

円卓を囲む豪華な食事会、その金額は?

10年ぶりの再会を祝うため、張さんは家族と親戚一同で中華料理レストランへ。16人が円卓を囲み、2ヶ月前に予約した2800元(約5万6000円)のコース料理に舌鼓を打ちました。白酒やジュースを追加注文し、最終的な金額は8万円以上。その支払いは、長男である張さんが負担しました。

さらに、叔父さん一家が滞在する3日間で、2回の食事会を開催。これらの出費だけで、総額25万円にも及んだそうです。食文化研究家の佐藤さんは「中国では、家族や親戚との食事は非常に重要なコミュニケーションの場。特に春節には、盛大な食事会を開き、親睦を深めることが一般的です」と指摘しています。

春節のおもてなし、その裏にある苦労

叔父さん一家9人の宿泊先は、張さんの実家と母親が所有するマンション。滞在中は、張さんと母親が料理を作り、一緒にテレビを見たり、近所の観光地へ出かけたりと、楽しい時間を過ごしました。張さんは叔父さんの孫3人にお年玉として、それぞれ1000元(約2万円)を渡したとのこと。

賑やかな春節の裏側には、おもてなしをする側の負担も大きいことが分かります。準備、食事、宿泊、お年玉…と、様々な面で配慮が必要となる春節の親戚づきあい。改めて、日本の簡素化されたお正月の文化に感謝した、という張さんでした。

まとめ:中国の春節、その光と影

華やかな祝祭の裏側には、おもてなしの苦労や高額な出費といった現実がある中国の春節。文化の違いに触れ、改めて日本の文化の良さを感じる機会にもなります。家族や親戚との繋がりを大切にする中国の文化に触れ、その奥深さを垣間見ることができました。