コメ不足の真相:消えた21万トン、その意外な原因とは?

日本では、コメ価格の高騰が続いています。JAなどのコメの集荷量は減少しており、いわゆる「消えた21万トン」問題が注目を集めています。政府は備蓄米の放出を決定しましたが、コメ不足の根本原因は何なのでしょうか?今回は、長年コメ作りに携わる専門家、大嶋康司氏(株式会社大嶋農場代表取締役)へのインタビューを基に、コメ不足の真相に迫ります。

予兆は昨春?コメ騒動の始まり

大嶋氏によると、コメ騒動の予兆は既に昨年の春頃からありました。取引先の包装材料業者から「6月頃にコメが足りなくなる」という話を聞かされたといいます。当初は大嶋氏も半信半疑でしたが、その後、業界内でコメ不足の噂が広まり、報道されるようになったとのことです。

alt="田んぼで稲穂を手に持つ農家"alt="田んぼで稲穂を手に持つ農家"

酷暑が招いたダブルパンチ:白米&クズ米の減少

コメ不足の要因として、大嶋氏はインバウンド需要の増加、南海トラフ地震に関する報道を受けた買占め、そして異常気象の影響を挙げます。特に、近年続く酷暑はコメ生産に深刻な打撃を与えています。

高温下で育ったコメは、精米時の歩留まりが低下します。通常100kgの玄米から90kgの白米がとれるところ、82~85kgしかとれないケースもあったそうです。つまり、収量が5~8%も減少した計算になります。

さらに、煎餅や味噌、醤油の原料となる「クズ米」の生産量も激減しました。クズ米とは、形が不揃いで規格外となったコメのことです。通常、選別機で一定の大きさ以下のコメがクズ米として分けられますが、酷暑の影響でコメ粒が大きく育ち、クズ米の割合が例年の3分の1にまで落ち込んだといいます。

alt="精米された白米"alt="精米された白米"

クズ米の不足により、加工業者は通常よりも高価な主食用米を原料に使用せざるを得なくなりました。このこともコメ不足に拍車をかけた一因だと大嶋氏は指摘します。食品加工業界の専門家、山田一郎氏(仮名)も「クズ米の供給不足は、加工食品業界全体に大きな影響を与えている。主食用米への転用は、価格高騰の連鎖を引き起こす可能性がある」と警鐘を鳴らしています。

まとめ:コメ不足解決への道筋

今回の取材を通して、コメ不足は様々な要因が複雑に絡み合った結果であることが明らかになりました。異常気象への対策、安定供給のための仕組みづくりなど、多角的なアプローチが必要とされています。消費者の私たちも、日々の食卓を通してこの問題に関心を持ち続けることが大切です。

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