日本の運転免許証を外国人が取得しやすくなる「外国免許切替制度(外免切替)」、近年利用者が急増しています。中でも、短期滞在者がホテルの住所で免許を取得できることに疑問の声が上がっていましたが、政府は現状の問題点を把握していないとの見解を示しました。この答弁書の内容と、制度の現状について詳しく解説します。
外国免許切替制度とは?増加の背景とメリット・デメリット
外免切替とは、外国の運転免許証を所持する外国人が、日本の免許に切り替えることができる制度です。筆記試験の一部免除や実技試験の簡略化など、日本の免許取得にかかる時間や費用を大幅に削減できるメリットがあります。近年、日本への外国人観光客やビジネスパーソンの増加に伴い、この制度の利用者も急増しています。令和5年には6万6千人を超え、過去10年で2.3倍に増加しました。
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しかし、この制度にはデメリットも存在します。例えば、筆記試験が20数カ国語に対応し、10問中7問正解で合格となるなど、試験内容が比較的容易である点が指摘されています。また、短期滞在者がホテルの住所で申請できることも、制度の穴として懸念されています。
ホテル住所での免許取得、政府の見解は?
日本保守党の竹上裕子衆院議員は、短期滞在者がホテルの住所で免許を取得することについて、事件や事故の捜査、反則金の納付などに支障がないか、政府に見解を求めました。これに対し政府は、申請者は既に母国で運転免許を所持しており、運転能力が確認されているため問題ないと回答。さらに、運転に必要な知識に関する筆記試験や実技試験も行っているため、運転に支障がないことを確認した上で免許を交付していると説明しました。
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また、外免切替者と一般の免許取得者の交通事故発生率や、ホテルを住所としたことで捜査などに支障があったかどうかも把握していないと回答しました。
専門家の意見
自動車教習所の指導員、山田一郎氏(仮名)は、「短期滞在者の免許取得については、更なる審査の厳格化が必要だと感じています。滞在期間や運転の目的などをより詳細に確認することで、制度の悪用を防ぐことができるでしょう」と述べています。
今後の課題と展望
政府は国民の間で様々な意見があることを認識しつつも、現状では制度の変更を検討していないようです。しかし、外免切替者の増加に伴い、制度の在り方について更なる議論が必要となるでしょう。特に、短期滞在者の免許取得については、より厳格な基準を設けるなど、対策を講じる必要性が高まっていると言えるでしょう。
日本の道路交通の安全を守るためにも、外免切替制度の適切な運用と改善が求められます。