アニマルスピリットの略称で知られる「アニスピ」。保護犬・猫との共生を掲げ、障害者向けグループホームをフランチャイズ展開し、全国1900拠点、シェアNo.1を謳う、障害者福祉業界の注目企業です。しかし、その輝かしい看板の裏で、運営上の深刻な問題が明らかになってきました。jp24h.comは、アニスピ直営ホームの実態を独自取材しました。
直営ホームで相次ぐトラブル:不正文書作成、衛生問題…
大阪市福島区にひっそりと佇む一軒家。かつてアニスピホールディングスが運営していたグループホーム「わおんなにわ」があった場所です。現在は別の事業者が運営し、名前も変わりましたが、過去の影は今も残っています。
アニスピホールディングスがフランチャイズで展開する障害者向けグループホームのリーフレット
元社員の岸谷綾さん(仮名)は、当時を振り返り、「人生で初めてこれほどの怒りを感じた」と語ります。一体何が起こっていたのでしょうか?
実地指導を前に文書捏造が発覚
2023年11月、大阪市の定期実地指導を控えた「わおんなにわ」で、事件は起こりました。管理者不在のため、本社から派遣された男性スタッフA氏は、ホームの「ヒヤリ・ハット」記録の少なさに気づき、架空の事例を捏造して記録を水増ししたのです。
アニスピホールディングスが直営していた障害者グループホーム「わおんなにわ」で働いていた岸谷綾さん(仮名)
他のスタッフが異議を唱えると、A氏は「他の拠点でもよくある」「業界では『あるある』だ」「本社で作ってもらった」と弁明。このやり取りは録音データにも残されています。
岸谷さんを含むスタッフからの通報で捏造が発覚。アニスピは市に顚末書を提出しましたが、事実と異なる内容だったため、岸谷さんの指摘を受けて訂正を繰り返す事態となりました。
業界の革命児を自称する代表取締役
アニスピホールディングスの代表取締役、藤田英明氏(49)は、自らを業界の「革命児」と称しています。しかし、直営ホームでの不正行為は、その言葉とは裏腹に、企業としての倫理観を疑わせるものです。
アニスピホールディングスが運営していた障害者グループホーム「わおんなにわ」だった建物
福祉ジャーナリストの山田一郎氏(仮名)は、「利用者の安全を守るべき事業者が、不正行為に手を染めることは言語道断だ。行政は厳正な調査と適切な処分を行うべき」と指摘しています。
今後の展開は?
アニスピホールディングスはその後、フランチャイズ事業を担うアニスピHDと、直営ホームを運営するSCJの2社に分割されました。しかし、過去の不正行為の責任は明確にされなければなりません。jp24h.comは、今後もこの問題を追及し、続報をお届けします。