台湾の食品安全当局である衛生福利部食品薬物管理署(食薬署)は、北海道産の米油を含む複数の日本産食品が、水際検査で不合格になったと発表しました。 輸入された米油からは、台湾の基準値を超えるグリシジル脂肪酸エステルが検出されたことが原因です。消費者の健康を守るため、全量が積み戻しまたは廃棄処分となり、台湾市場への流通は阻止されました。
グリシジル脂肪酸エステルとは?健康への影響は?
グリシジル脂肪酸エステルは、食用油脂の精製過程で生成される物質です。台湾では、長期間にわたる摂取が発がんリスクを高める可能性があると指摘されており、食用油脂中の含有量に厳しい基準値が設けられています。今回の北海道産米油からは、1キログラム当たり1428マイクログラムのグリシジル脂肪酸エステルが検出され、基準値である1000マイクログラムを大きく上回っていました。
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日本におけるグリシジル脂肪酸エステルの規制は?
日本では、食品衛生法に基づくグリシジル脂肪酸エステルの基準値は現在設定されていません。しかし、業界団体や農林水産省が低減に向けた取り組みを進めており、自主的なガイドラインの作成などが行われています。 食品安全コンサルタントの佐藤健氏(仮名)は、「消費者の安全を守るためには、日本も基準値の設定を検討する必要がある」と指摘しています。
乳幼児向け煎餅からも基準値超えのカドミウム検出
今回の水際検査では、北海道産米油以外にも、日本産の乳幼児向け煎餅3品目から基準値を超えるカドミウムが検出されました。食薬署によると、過去半年で日本産の乳幼児向け煎餅の不合格事例が複数件発生しており、全ロット検査が継続されています。
その他の不合格食品
日本産のイチゴ2品目と中国産のリョクトウからは残留農薬が、フランス産のチーズからは大腸菌が、インドネシア産の菓子からは防腐剤が、それぞれ基準値を超えて検出され、不合格となりました。食薬署は、今後も輸入食品の安全性を確保するため、厳格な検査体制を維持していくとしています。
食の安全を守るために
今回の事例は、食品の安全性に対する意識を高める重要な機会となります。消費者は、食品の産地や成分表示に注意を払い、安全な食品選びを心がけることが大切です。また、関係機関は、国際的な連携を強化し、食品安全に関する情報共有や基準 harmonization を推進していく必要があります。 食の安全は、私たち一人ひとりの健康を守る上で不可欠な要素です。