歴史否定の嵐に立ち向かう:慰安婦問題と正義記憶連帯の挑戦

日本軍「慰安婦」問題をめぐる歴史否定の動きが激化している。生存する被害者がわずか7名となる中、事実を歪曲し、被害者を攻撃する声は勢いを増している。正義記憶連帯(正義連)のイ・ナヨン理事長は、この深刻な現状に警鐘を鳴らし、歴史の真実を守るための闘いを続けている。

歴史否定のうねり:組織化された攻撃の実態

正義連は、水曜デモでの妨害行為や「少女像撤去チャレンジ」といった卑劣な活動に長年直面してきた。イ理事長は、これらの活動が単発的なものではなく、組織化された歴史否定運動の一環であると指摘する。2019年末に結成された「慰安婦と労務動員労働者の銅像設置に反対する会」や、ニューライト系論客による書籍『反日種族主義』の出版など、歴史否定の動きは着実に広がりを見せている。

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さらに、ラムザイヤー教授の論文事件に見られるように、この動きは国際的なネットワークを形成し、世界規模で歴史の真実を歪曲しようとしている。イ理事長は、国内の極右勢力と日本政府、右翼団体、そして海外の研究者などが連携し、組織的な歴史否定キャンペーンを展開していると警告する。

尹政権下で加速する極右 mainstream 化

イ理事長は、尹政権発足後、極右勢力の mainstream 化が深刻化していると指摘する。ニューライト運動に関わった人物が政府要職に就き、強制動員問題における「第三者弁済」方式の推進など、日本政府に寄り添う姿勢が目立つ。

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こうした状況下で、慰安婦被害者への攻撃は激化し、虚偽の告発や名誉毀損が繰り返されている。高齢の被害者や遺族が個々に法的対応をするのは困難であり、正義連は「慰安婦被害者法」の改正を求めている。被害の定義の見直しや、虚偽事実の流布に対する罰則強化など、歴史の真実を守るための法的整備が必要不可欠だ。

デジタルアーカイブ:未来への記憶の継承

正義連は、歴史否定の動きに対抗するため、デジタルアーカイブ事業にも力を入れている。「戦争と女性人権アーカイブ」のホームページを開設し、デジタル化された資料を公開することで、歴史の真実を後世に伝えていく取り組みを強化している。

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歴史の記憶は、未来への羅針盤となる。イ理事長は、過去を現在化し、歴史から学ぶことの重要性を強調する。正義連の活動は、歴史否定の嵐に立ち向かい、慰安婦問題の真実を未来に繋ぐための、希望の光となっている。