離婚後の子供との向き合い方:新しい家族の形を築くためのヒント

離婚は夫婦にとってだけでなく、子供にとっても大きな変化です。特に日本では長らく単独親権が主流でしたが、近年、共同親権も選択できるようになり、親子の関係性の再構築が求められています。この記事では、離婚後の子供との向き合い方、新しい家族の形を築くためのヒント、そして「FAITプログラム」という心理教育プログラムを通して親子の心のケアをサポートする取り組みについてご紹介します。

離婚が子供に与える心理的影響

離婚後の子供の心理状態を表すイメージ画像離婚後の子供の心理状態を表すイメージ画像

離婚は子供にとって、生活環境や家族関係の大きな変化を意味します。慣れ親しんだ生活から一変し、両親の不在や新たな生活への適応など、子供は精神的に大きな負担を抱えることになります。白梅学園大学の福丸由佳教授は、「離婚は子供にとって喪失体験であり、悲しみ、怒り、不安など様々な感情が渦巻く時期」と指摘しています。

子供たちは、なぜ両親が離婚したのか、自分のせいではないかと自分を責めることもあります。また、両親のどちらかの悪口を聞かされたり、板挟みになったりするなど、心理的に追い詰められるケースも少なくありません。こうした状況が長期化すると、不登校や情緒不安定、対人関係の困難などにつながる可能性があります。

FAITプログラム:移行期にある家族の支え

FAITプログラムのパンフレットのイメージ画像FAITプログラムのパンフレットのイメージ画像

離婚を経験する親子の心のケアを支援するため、家族心理学の専門家である福丸由佳教授を中心に開発されたのが「FAIT(Families In Transition)プログラム」です。このプログラムは、離婚という大きな転換期にある家族が、新しい家族の形を築き、子供たちの健やかな成長を支えるための知識やスキルを学ぶことを目的としています。

関西地方在住の伊藤香平さん(34歳)は、離婚後、子供たちの不登校に悩んでいました。そんな時に出会ったのがFAITプログラムでした。伊藤さんは、「プログラムを通して、離婚後の子どもの心理状態について理解が深まり、自分がしてきたことの反省点にも気づかされた」と語っています。

FAITプログラムでは、離婚による子供への影響、親としての役割、子供とのコミュニケーション方法、新しい家族の築き方など、多岐にわたるテーマを扱います。グループワークやロールプレイングなどを通して、参加者は自身の経験や悩みを共有し、専門家のアドバイスを受けながら、より良い親子関係を築くための方法を学んでいきます。

離婚後も子供中心の生活を

離婚後も、子供にとって両親の存在は変わらず重要です。親同士が良好な関係を築き、子供としっかりと向き合うことが、子供たちの健やかな成長を支える上で不可欠です。

専門家によると、子供にとって大切なのは、両親が自分のことを大切に思っていると感じること、そして安心して生活できる環境が整っていることです。親権の有無に関わらず、子供とのコミュニケーションを密にし、子供の気持ちに寄り添うことが重要です。

また、離婚は家族の形が変わるだけで、親子の絆がなくなるわけではありません。新しい家族の形を模索しながら、子供中心の生活を送り、子供たちの成長を温かく見守ることが大切です。