能登半島災害と自衛隊派遣問題:山本太郎議員、政府の対応を「鬼畜の所業」と批判

参議院予算委員会で、れいわ新選組の山本太郎議員が能登半島への自衛隊派遣問題について政府を追及し、波紋を広げている。2024年9月の記録的大雨による土砂災害を受け、石川県知事は自衛隊派遣を要請したが、防衛省は3要件(緊急性・公共性・非代替性)を満たさないとして拒否。その後、山本議員は国会で再三派遣の検討を求めたものの、政府は「県からの要請がない」と繰り返すばかりだった。

ボランティア頼みの現状と政府の責任

山本議員は、膨大な土砂撤去作業をボランティアに頼らざるを得ない現状を指摘。知事が自民党重鎮に根回しした結果、正式な要請に至らなかったと批判し、「政府が派遣要請を握り潰した」と強く非難した。さらに、被災自治体からの派遣要請を過去10年で断った事例がないことを挙げ、防衛省幹部の参考人招致を求めた。

alt=山本太郎議員が能登半島災害の復旧状況について質問する様子alt=山本太郎議員が能登半島災害の復旧状況について質問する様子

「解散総選挙優先」の疑念と「鬼畜の所業」

山本議員は、政府が解散総選挙を優先し、批判をかわすために派遣要請を妨害したと主張。「鬼畜の所業だ」と激しい言葉で糾弾し、被災地の復旧復興を邪魔しないよう訴えた。そして、石破総理に対し、知事との再協議と現場視察を要請した。

石破総理の回答と更なる視察要請

石破総理は「鬼畜の所業をしたつもりはない」と釈明しつつ、知事と連絡を取り実情を把握すると回答。しかし、山本議員は知事が現場を理解していないとして、総理自身も能登半島や岩手の山火事現場を視察するよう重ねて求めた。

専門家の意見

災害復興支援に詳しいNPO法人代表、山田花子さん(仮名)は、「被災地のニーズを的確に捉え、迅速な支援を行うことが重要。政治的な思惑で対応が遅れることはあってはならない」と指摘する。また、危機管理コンサルタントの田中一郎さん(仮名)は、「災害派遣の判断基準を明確化し、透明性を確保する必要がある」と提言している。

能登半島災害における自衛隊派遣問題をめぐる山本議員と政府の攻防は、今後の災害対応のあり方を問う重要な論点となるだろう。被災地の早期復興に向け、政府の迅速かつ適切な対応が求められる。