日本で学ぶアジア人留学生が増加の一途を辿っています。夢を胸に異国の地へ飛び立つ彼らですが、輝かしい未来の裏側には、日本語学習の壁、物価高騰による生活苦、そして進路への不安など、多くの課題が立ちはだかっています。本記事では、来日1年目のアジア人留学生に焦点を当て、彼らのリアルな声を通して、日本で夢を追う若者たちの挑戦と苦悩に迫ります。
日本語学習の壁:漢字圏と非漢字圏の格差
非漢字圏留学生の苦労
日本語学習において、特に非漢字圏出身の留学生は漢字の習得に大きな苦労を抱えています。ひらがなやカタカナに加え、膨大な数の漢字を覚えなければならないため、学習の負担は計り知れません。タイ出身のソムチャイさん(仮名)は、「漢字の読み書きが難しくて、毎日勉強してもなかなか覚えられない」と語ります。多くの留学生が日本語学校に通う傍ら、アルバイトをして生活費を稼いでいますが、限られた時間の中で日本語学習とアルバイトを両立させることは容易ではありません。
新大久保の街並み
中国人留学生の二極化
一方、漢字圏出身の中国人留学生の間では、二極化が進んでいるという指摘もあります。日本語学習に対するモチベーションの高い学生がいる一方で、いわゆる「寝そべり族」と呼ばれるような無気力な学生も増えているようです。都内の日本語学校で教鞭をとる山田先生(仮名)は、「以前は優秀な学生が多かったが、最近は授業中に寝ていたり、スマホをいじっている学生もいる」と現状を語ります。
物価高騰による生活苦:アルバイトだけでは足りない
日本で学ぶ留学生の多くは、生活費を稼ぐためにアルバイトをしています。しかし、近年の物価高騰により、アルバイトだけでは生活が苦しいという声が increasingly上がっています。ベトナム出身のグエンさん(仮名)は、「物価が上がって生活が苦しくなった。アルバイトの時間を増やしたいが、勉強時間も確保しなければならず、悩んでいる」と打ち明けます。生活費の負担は、留学生たちの精神的なストレスにも繋がっています。
進路への不安:卒業後の進学・就職
日本語学校卒業後の進路についても、留学生たちは大きな不安を抱えています。日本の大学への進学や、日本で就職することを希望する学生が多いですが、高い日本語能力が求められるため、希望通りの進路を実現することは容易ではありません。ネパール出身のシャルマさん(仮名)は、「将来は日本でエンジニアとして働きたいが、日本語能力試験N1に合格するのが難しい」と将来への不安を口にします。
出身国別留学生数
まとめ:多様な支援の必要性
日本で学ぶアジア人留学生は、日本語学習、生活費、進路など、様々な課題に直面しています。彼らが安心して学び、夢を実現できるよう、日本語教育の充実、奨学金制度の拡充、就職支援など、多様な支援策が必要です。日本社会全体で、外国人留学生を支える体制を構築していくことが重要です。