ロシアによるウクライナ侵略で、露オンラインメディア「ファリデイリー」はプーチン大統領が18日に露大手企業トップらとの非公開会合を開き、「ウクライナとの紛争の早期終結を期待すべきではない」との立場を示したと伝えた。複数の非公開会合出席者らの話だとした。
一方、トランプ米大統領は21日、ホワイトハウスで報道陣に「ウクライナ戦争は間もなく全面停戦に達するだろう」と発言。ファリデイリーの報道が事実であれば、戦争終結の見通しを巡ってプーチン氏とトランプ氏に温度差があることが改めて示された形だ。
トランプ氏は、停戦後に「領土の分割とか色々な協定が協議されると思う」とも述べた。
プーチン氏は18日夕、経済団体「露産業企業家連合」の年次総会に出席。これに合わせ、大手企業トップらとの非公開会合を開いた。露経済紙コメルサントが会合出席者の話として伝えたところによると、プーチン氏は「ロシアが獲得したものは奪われない」とした上で、停戦には2014年にロシアが併合を宣言したウクライナ南部クリミア半島と、22年に併合を宣言した同国東・南部4州が露領土として承認されることが必要だとする立場を示したという。
プーチン氏は18日夜、トランプ氏と電話会談し、全面停戦を拒否しつつ、ロシア・ウクライナ双方によるエネルギー施設への攻撃停止にのみ同意した。(小野田雄一、ワシントン 塩原永久)