この記事では、家庭環境の問題や職場でのパワハラなど、数々の困難を経験した30代男性、後藤迅斗さんの実体験に基づいたトラウマ克服の物語をご紹介します。幼少期の家庭環境、社会人になってからのパワハラ、そしてそこからどのように立ち直ったのか、後藤さんの心の軌跡を辿りながら、現代社会における「生きづらさ」の正体に迫ります。
幼少期の家庭環境:言葉の遅れと親族からの心無い言葉
後藤さんは、幼少期に言葉の遅れがあり、3歳から6歳までリハビリセンターに通っていました。この言葉の遅れが原因で、親族から心無い言葉を浴びせられ、深く傷ついた経験があります。5〜6歳という幼い頃に、親族から「あなたなんか産まれてこなければよかった」と言われた時の衝撃は、計り知れません。
幼少期の後藤さん
当時の状況を振り返り、後藤さんはASD(自閉スペクトラム症)の兆候があったのではないかと語っています。言葉の遅れによって親戚間で大きな問題となり、幼い後藤さんは不安と孤独を感じていました。
両親は、家庭内DVやネグレクトなど、子どもにとって望ましい環境を提供できていませんでした。父親は仕事への不満を漏らし、母親は後藤さんを他の子どもと比較し、貶める言葉を繰り返していました。このような家庭環境の中で、後藤さんは自己肯定感を育むことができず、「自分は冷めていて向上心がない」と思い込むようになっていきました。
サッカーとの出会い:喜びを見出せない苦悩
母親の勧めでサッカーを始めた後藤さんでしたが、喜びを見出すことはできませんでした。試合を見ても何も感じず、練習にも身が入らない自分に失望し、ますます自己嫌悪に陥っていきました。
心理学者の山田花子先生(仮名)は、「子どもが興味のない活動を強制されることは、自己肯定感を損なうだけでなく、無気力や抑うつ状態につながる可能性もある」と指摘しています。
後藤さんのように、親の期待に応えようとするあまり、自分の気持ちに蓋をしてしまう子どもは少なくありません。このような状況は、子どもの健全な発達を阻害する要因となり得ます。
中学受験:初めての自信と新たな苦悩の始まり
小学校で優秀な成績を収めていた後藤さんは、母親の勧めで中学受験に挑戦することになります。勉強ができるという事実は、後藤さんにとって生まれて初めての自信となりました。
勉強する後藤さん
しかし、この中学受験が、後藤さんの人生における新たな苦悩の始まりとなるのでした。次回の記事では、中学受験後の後藤さんの体験、そして社会人になってから経験したパワハラについて詳しくお伝えします。
まとめ:幼少期のトラウマがその後の人生に与える影響
この記事では、後藤さんの幼少期の家庭環境や、サッカー、中学受験といった経験を通して、彼がどのようにトラウマを形成していったのかを明らかにしました。幼少期のトラウマは、その後の人生に大きな影響を与える可能性があります。後藤さんの物語は、私たちに「生きづらさ」の正体について深く考えさせるものとなっています。
次回の記事もお楽しみに。