この記事では、元東京地検特捜部長の石川達紘氏が起こしたレクサス暴走死亡事故を巡る、トヨタ自動車への損害賠償請求訴訟について解説します。石川氏は車の欠陥を主張しましたが、一審では敗訴。控訴審での行方が注目されます。
事故の概要と刑事裁判の判決
2018年、東京都渋谷区で、石川氏が運転するレクサスが暴走し、歩行者をはねて死亡させる事故が発生しました。石川氏は過失運転致死罪で起訴され、2023年5月に禁錮3年、執行猶予5年の判決が確定しました。刑事裁判では、石川氏が誤ってアクセルペダルを踏み込んだことが事故原因と認定されました。
事故現場の様子
石川氏の主張と民事訴訟
しかし、石川氏は車の欠陥が事故原因であると主張し、トヨタ自動車と販売会社を相手に損害賠償を求める民事訴訟を起こしました。石川氏側は、防犯カメラの映像から、事故発生時に石川氏の左足が車外に出ていたことを根拠に、アクセルを踏んでいないと主張。画像解析の専門家である立命館大学名誉教授の山内寛紀氏の鑑定結果も提出しました。山内氏は、大阪府警察本部や警視庁で画像解析指導員を務めた経験を持つ権威です。
石川氏側の主張は、停車中にシフトレバーをパーキング(P)に入れずにエンジンをかけたままの状態であったこと、ゴルフ仲間が来たため石川氏が車を降りようとした際にレクサスが動き出したこと、そしてその際に石川氏の両足が車外に出ていたという点です。石川氏自身は、極度のストレスから事故時の記憶が曖昧になっている可能性も示唆されています。
一審判決と控訴
2024年2月20日、東京地裁は石川氏の訴えを全面棄却しました。判決文では、山内氏の鑑定結果について「靴を写し出したものとして識別することは容易ではなく、信用することができない」と判断しました。
レクサスの運転席
石川氏側は判決を不服として控訴しました。石川氏の代理人弁護士は、刑事裁判で信頼されている山内氏の鑑定が民事裁判で否定されたことに疑問を呈し、控訴審でも鑑定の信頼性を主張していくとしています。
トヨタ自動車の見解
トヨタ自動車は、今回の裁判について「お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りいたしますとともに、ご遺族に対して心からお悔やみを申し上げます。トヨタは引き続き、全てのお客様の安全・安心を第一に、商品やサービスをお届けしてまいります」とコメントしています。
今後の展開
元特捜のエースである石川氏と、画像解析の権威である山内氏が司法に挑むこの裁判。控訴審での判決が注目されます。「車両の欠陥」か「運転手の過失」か、真実はどこにあるのでしょうか。今後の展開を見守っていきましょう。