朝ドラ「おむすび」が最終回を迎えました。橋本環奈さん演じる主人公・米田結の成長物語は、残念ながら視聴率が伸び悩み、ワースト記録更新も囁かれる結果となりました。なぜ「おむすび」は視聴者から支持を得られなかったのでしょうか?本記事では、その理由を様々な角度から探っていきます。
ギャル×栄養士という異色の組み合わせ
「おむすび」の主人公・米田結は、福岡県糸島で育ち、ギャルとの出会いをきっかけに栄養士を目指します。現代社会の食の問題を、栄養学の知識と持ち前のコミュニケーション能力で解決していくというストーリーです。「おむすび」というタイトルには、人と人、縁、時代を結ぶという意味が込められています。
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過去の朝ドラヒロインの職業は、弁護士、ファッションデザイナー、編集者など多岐に渡ります。いずれも、幼少期から描かれ、困難を乗り越えながら夢を叶える姿が感動を呼びました。「おむすび」も、ヒロインの人生を描くという点では同様です。しかし、今回のヒロインには「ギャル」という要素が加わったことが、大きな違いと言えるでしょう。
朝ドラの“王道”からの脱却
フリーライターの木俣冬さんは、「ギャルという設定が斬新すぎた」と指摘します。朝ドラは国民的番組であり、老若男女問わず楽しめる“王道”のストーリーが求められます。過去のヒロインは、専業主婦、作家、料理家など、誰もがイメージしやすい職業に就くことが多かったのです。
また、木俣さんは「母親が元スケバンや元レディースという設定も、視聴者にとって馴染みが薄かったのではないか」と分析します。朝ドラでは、主人公の生い立ちや家族構成も重要な要素です。「おむすび」の主人公を取り巻く環境は、これまでの朝ドラとは一線を画すものでした。
栄養士という職業の描き方
「おむすび」では、管理栄養士という職業を通して、食の大切さを伝えています。しかし、料理研究家のAさんは「栄養士の仕事内容が十分に描かれていなかった」と指摘します。「栄養指導や献立作成など、栄養士の専門性をもっと深く掘り下げることで、視聴者の共感を呼ぶことができたのではないか」とAさんは語ります。
管理栄養士の仕事は多岐に渡り、食育活動や健康相談なども含まれます。これらの活動をドラマに取り入れることで、よりリアリティのある物語になったかもしれません。
まとめ
「おむすび」は、ギャルヒロインや個性的な家族構成など、斬新な要素を取り入れた意欲作でした。しかし、朝ドラの“王道”から外れた設定や、栄養士という職業の描き方が、視聴者の共感を得られなかった一因と言えるでしょう。今後の朝ドラ制作において、今回の「おむすび」の経験は貴重な教訓となるはずです。