腸内環境と活性酸素の意外な関係:体のサビを防ぐ鍵は「腸」にあった

順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏は、腸内環境が劣悪になると、活性酸素やアンモニアなどの有害物質が腸から血液中へ吸収され、全身にばらまかれると警鐘を鳴らしています。では、どのようにしてこの状態を改善し、体の「サビ」を防ぐことができるのでしょうか。腸の専門家である小林氏が提唱する、活性酸素に特化した「サビない腸活」の重要性に迫ります。

腸と活性酸素:見過ごされがちな密接なつながり

「腸」と「活性酸素」。この二つの言葉を並べると、一見すると何の関連性もないように感じるかもしれません。しかし、この両者には非常に深く、そして健康を左右する重要なつながりがあるのです。実際、腸への活性酸素の影響をいかに抑えるかが、体のサビつきを防ぎ、ひいては老化や病気の予防に直結すると言えるでしょう。

私たちの腸の最も大切な役割は、食物から栄養やエネルギーを吸収することにあります。腸管に取り込まれた栄養素は、腸壁から血液中へと吸収され、血流に乗って全身を巡ります。その血液に含まれる栄養が、全身の細胞に行き渡り、体の材料や活動エネルギーとして利用されるのです。

腸の重要な役割と「毒素」の吸収リスク

では、もし腸内が活性酸素で満たされていたらどうなるでしょうか。当然ながら、活性酸素などの有害物質も栄養と一緒に血液中へ吸収され、全身を巡ってしまうことになります。その結果、体中の細胞に「毒」が回り、体のサビつきによる老化や病気がさらに加速する可能性は否定できません。

腸の不調や腸内環境の悪化が全身の健康に影響を与える様子を示唆するイメージ腸の不調や腸内環境の悪化が全身の健康に影響を与える様子を示唆するイメージ

残念ながら、これは単なる想像上の話ではありません。実際には、腸内は活性酸素の一大発生源となっているのです。

なぜ腸は活性酸素の一大発生源なのか?

例えば、暴飲暴食が続いたり、便秘や下痢が長引いたりすると、腸内環境は悪化します。このような状況下では、有害菌が増殖し、アンモニア、硫化水素、インドール、スカトールといったさまざまな有害物質を大量に生成し始めます。腸内では、これらの有害物質を無毒化するために活性酸素が大量に動員され、その結果、腸内に活性酸素が集中してしまうというメカニズムが存在するのです。

このことから、腸内環境を整えることが、過剰な活性酸素の発生を抑え、全身の健康を守る上でいかに重要であるかが理解できます。腸の健康を維持し、適切な「腸活」を行うことが、体の「サビ」を防ぎ、健やかな毎日を送るための不可欠な要素と言えるでしょう。

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