ミャンマー中部を襲った大地震。発生から72時間を超え、生存率が著しく低下する中、救助隊員たちは40度を超える猛暑の中、懸命の捜索活動を続けています。多くの被災者が未だ瓦礫の下に取り残されているとみられ、被害の全容把握も困難な状況です。
マンダレーで奇跡の救出劇、中国チームも貢献
第二の都市マンダレーでは、倒壊したホテルのがれきの中から女性が60時間ぶりに救出されるという奇跡的な出来事が起こりました。地元救助隊に加え、中国やロシアのチームも協力し、5時間にも及ぶ懸命の作業の末、女性は無事救出されました。その瞬間、周囲は歓声と拍手に包まれたといいます。
ミャンマーの地震で倒壊した建物を捜索する救助隊員ら
国際社会からの支援も、被害の甚大さに追い付かず
軍事政権の支援要請を受け、近隣諸国からも続々と救助隊が到着しています。インド、タイ、シンガポールなどからの支援も届いていますが、被害があまりにも広範囲に及んでいるため、救助活動や支援物資の供給は未だ追いついていないのが現状です。マンダレー在住の女性は、毎日新聞の取材に対し、「家族9人が隣町でがれきの下に閉じ込められたままだと聞いている。墓地へ向かう車の列が絶えず、病院や遺体安置所も溢れかえっている」と悲痛な状況を語りました。
猛暑の中での避難生活、過酷な状況続く
ミャンマーではこの時期、年間で最も気温が高くなります。この猛暑は、救助隊員だけでなく、屋外で避難生活を強いられている被災者たちにとっても過酷な状況を生み出しています。SNS上には、道路脇に張られたビニールシートの下で暑さをしのぐ住民たちの姿が投稿されています。首都ネピドーでは、強い日差しと漂う死臭の中、がれきの撤去作業が行われているとAP通信は報じています。
タイ・バンコクの高層ビル倒壊、懸命の捜索続く
一方、隣国タイの首都バンコクでも高層ビルが倒壊し、11人の死亡が確認されています。未だ70人以上が行方不明となっており、懸命の捜索活動が続けられています。バンコク都知事は現場を視察し、少なくとも3人の生存反応を確認したと発表。「72時間を過ぎても救助活動を継続する」と強い決意を示しました。ミャンマー出身の男性は、行方不明の兄を捜索するため、毎日現場に通っています。「故郷で待つ兄の妻も心配している。一刻も早く良い知らせを届けたい」と語りました。