ステージ4の膀胱がんと闘う:抗がん剤治療のリアルな体験記

闘病生活は、まるでジェットコースター。希望に満ちた上昇と、副作用という急降下を繰り返す日々。この記事では、ステージ4の膀胱がんと診断されたジャーナリストが、抗がん剤治療のリアルな体験を赤裸々に綴ります。抗がん剤の種類、投与方法、そして副作用との向き合い方まで、自身の経験を通して得た貴重な情報を共有します。

再び桜を愛でる喜び

昨年3月に膀胱がんが発覚し、「余命1年」という宣告を受けました。それから1年、再び桜の開花を迎えられた喜びはひとしおです。病室の窓越しではなく、木の下に立ち、桜の香りを胸いっぱいに吸い込む。この当たり前の幸せを、改めて噛み締めています。

桜並木のイメージ桜並木のイメージ

3種類の抗がん剤治療を経験

この1年間で、3種類の抗がん剤治療を経験しました。現在は、最も効果の高かった「ゲムシタビン」と「カルボプラチン」の併用療法(GEM+CBDCA療法)を受けています。投与スケジュールは、1週目にゲムシタビン(30分点滴)とカルボプラチン(1時間点滴)、2週目にゲムシタビンのみ(30分点滴)、そして3週目は休薬期間というサイクルです。

抗がん剤の副作用との闘い

抗がん剤治療で最も辛いのは、副作用との闘いです。アレルギー反応、吐き気、嘔吐といった副作用は、投与直後から現れる可能性があります。私の場合、幸いにもこれらの症状は経験していません。点滴当日、そして翌日も体調は良好で、食欲も旺盛でした。

今回、2日目、3日目も体調は安定しており、趣味のコーヒーを淹れたり、知人から送られてきた干物を焼いて楽しんだり、穏やかな時間を過ごせました。

副作用の波:4日目からの倦怠感と神経痛

しかし、4日目に入ると状況は一変します。全身の倦怠感に襲われ、以前帯状疱疹を患った二の腕あたりに神経痛が走ります。まるで体が自分のものではないような、違和感と倦怠感でなかなか起き上がることができません。昨年は、この時期に37~38度以上の高熱に苦しめられましたが、今回は発熱はありません。それだけが救いです。

がん治療専門医の佐藤先生(仮名)は、「抗がん剤の副作用は個人差が大きく、同じ薬でも症状の出方は様々です。副作用のつらさを一人で抱え込まず、医師や看護師に相談することが大切です」とアドバイスしています。

抗がん剤治療のイメージ抗がん剤治療のイメージ

食生活への工夫

副作用による食欲不振を防ぐため、消化の良いものを少量ずつ食べるように心がけています。また、水分補給も欠かせません。

今後の治療と希望

抗がん剤治療は、副作用という大きな壁がありますが、がん細胞を抑制するために必要な治療です。副作用の波に乗り越えながら、治療を継続していくしかありません。

10月には膀胱全摘出手術を控えています。不安がないと言えば嘘になりますが、前向きな気持ちで手術に臨みたいと思っています。そして、これからも桜の季節を迎えられるように、治療と向き合い、日々を大切に生きていきたいです。