パキスタンに逃れたアフガニスタン難民への国外退去圧力が深刻化しています。タリバン復権後の混乱、迫害の恐怖、そしてパキスタン国内の治安悪化…様々な要因が絡み合い、人道危機が叫ばれています。この記事では、アフガン難民の現状、パキスタン政府の対応、国際社会の反応など、多角的にこの問題を掘り下げていきます。
パキスタンにおけるアフガン難民の現状:300万人の不安
パキスタンには現在、約300万人ものアフガン難民が身を寄せていると推定されています。AP通信の報道によると、その内訳は、合法的な滞在許可を持つ人が約130万人、アフガニスタンの身分証明書のみを所持する人が約80万人、そして残りの人々は不法滞在者とされています。 これらの難民は、故郷を追われ不安定な生活を強いられています。
パキスタンとの国境付近のキャンプに身を寄せるアフガニスタン難民
パキスタン政府の強硬姿勢:強制送還の波紋
パキスタン政府は、国内の治安悪化の一因としてアフガン難民の存在を挙げ、強制送還政策を強化しています。2023年11月から不法滞在者への取り締まりを強化し、すでに約80万人が国外へ送還されたと国際移住機関(IOM)は報告しています。さらに、3月末を期限に滞在許可のないアフガン人への強制送還を予告、滞在許可を持つ人々にも6月末までの退去を求めています。この強硬姿勢は、人権団体などから強い批判を浴びています。
タリバン復権後の混乱と迫害の恐怖
2021年のタリバン復権後、多くのアフガン人が迫害を恐れてパキスタンに逃れました。女性ジャーナリストのフレシュタ・アジジさんもその一人です。彼女は米国への移住を申請中ですが、受け入れの目処は立っていません。毎日新聞助手の取材に対し、アジジさんは「米国が私たちを受け入れない場合、パキスタンから国外追放されると言われて心配している」と不安を吐露しました。生活費に加え、ビザ延長費用も重くのしかかり、経済的な苦境にも立たされています。
国際社会の反応と人道支援の課題
国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」(HRW)は、パキスタン政府の強制送還政策を批判し、即時中止を求める声明を発表しました。難民の保護は国際的な人権問題であり、パキスタン政府の対応は国際法に反する可能性も指摘されています。 難民支援の専門家、佐藤一郎氏(仮名)は「パキスタン政府は治安対策も重要だが、人道的な側面も考慮し、難民への支援を強化すべきだ。国際社会も連携して、難民の保護と支援に取り組む必要がある」と述べています。
アフガン難民の未来:解決への道筋は?
アフガン難民の未来は、パキスタン政府の政策、国際社会の支援、そしてアフガニスタン情勢の安定にかかっています。難民たちが安全に、そして尊厳を持って暮らせるよう、国際社会が一丸となって解決策を探る必要があるでしょう。