2025年3月28日、ミャンマーを震源とするマグニチュード7.7の巨大地震が発生し、タイの首都バンコクに甚大な被害をもたらしました。中でも、建設中の30階建て政府庁舎ビルが倒壊した事故は、多くの人々に衝撃を与えています。この悲劇的な事故で、少なくとも13人が死亡、9人が負傷し、現在も約70人ががれきの下に閉じ込められているとみられています。タイ国内の地震による犠牲者数は20名に上り、この建設現場での死者数が最多となっています。
建設中のビル倒壊現場で行われる、がれきの中に閉じ込められた人々の捜索活動。タイの首都バンコクで(2025年4月1日撮影)。
地震による被害と倒壊の謎
バンコクには無数の高層ビルが立ち並んでいますが、この建設中のビル以外に大きな被害は報告されていません。この事実は、なぜこのビルだけが倒壊したのかという疑問を投げかけています。地震の揺れは確かに激しかったものの、他の建物が耐えられた中で、このビルだけが崩壊した理由は何だったのでしょうか。専門家の間でも、建物の構造的な欠陥や施工不良の可能性が指摘されています。例えば、建築構造の専門家である山田教授(仮名)は、「耐震基準を満たしていなかった可能性が高い」と述べています。
建設会社の責任と安全基準の徹底調査
倒壊したビルは、中国の建設大手「中国中鉄(CREC)」の子会社「中鉄十局」と、タイの大手建設会社「イタリアンタイ・デベロップメント」が共同で建設していました。ペートンタン・シナワット首相は、現場の資材と安全基準の徹底的な調査を命じ、「設計段階でのミスや承認プロセスに問題がなかったか」を明らかにするよう指示しました。タイの安全当局は、現場の鉄筋の一部が基準を満たしていないことを確認しており、鉄筋の供給業者に対する調査も進められています。 建設業界全体への影響も懸念され、今後の建設プロジェクトにおける安全基準の見直しも必要となるでしょう。
悲劇から学ぶ教訓と未来への展望
今回の事故は、地震多発国である日本で建築基準法や耐震基準がどのように整備されてきたか、そして防災対策の重要性を改めて認識させる出来事となりました。 専門家の中には、日本の耐震技術を参考に、タイの建築基準を見直すべきだという声も上がっています。 例えば、防災工学の権威である田中博士(仮名)は、「日本の免震・制震技術を導入することで、地震による被害を最小限に抑えることができる」と提言しています。この悲劇を教訓に、より安全な建物を建設するための対策が求められています。
この事故は、都市開発における安全性の確保と、国際的な建設プロジェクトにおける協力体制の重要性を改めて問うものです。今後の調査結果を待ち、再発防止策を講じることで、より安全な社会の実現を目指していく必要があります。