伊丹市民待望の市立伊丹総合医療センター(仮称)の開院が、土壌汚染の影響で2027年度後半に延期されることになりました。当初予定されていた2026年8月から約1年半の遅れとなり、市民生活への影響も懸念されています。この記事では、開院延期の詳細と今後の見通し、市民の声などを詳しくお伝えします。
土壌汚染が想定の7.6倍!開院延期で事業費も増加
市立伊丹病院と公立学校共済組合近畿中央病院を統合し、高度急性期医療を提供する市立伊丹総合医療センター(仮称)の建設予定地で、大規模な土壌汚染が発覚しました。汚染土量は想定の7.6倍にあたる約1万6000立方メートルにものぼり、対策工事が必要となったため、開院が2027年度後半に延期されることになりました。これに伴い、事業費も約20億円増加する見込みです。
伊丹市新病院建設予定地
汚染発覚の経緯と市の対応
昨年夏まで診療を続けていた場所で、21年の設計時には調査できなかった区域で汚染が発見されました。昨年8月から12月にかけて実施された調査で、汚染の広がりと深刻さが明らかになったのです。伊丹市は、対策工事を行いながら、開院に向けて準備を進めていく方針です。
近畿中央病院跡地活用計画にも影、地域医療への影響は?
開院の遅れは、統合後の近畿中央病院跡地の活用計画にも影響を与えています。市は跡地に民間医療機関を誘致し、新病院で不足する回復期の患者受け入れを担ってもらう計画でしたが、開院延期によって誘致活動に遅れが生じる可能性が出てきました。
医療機関誘致への影響と市民の不安
市が実施したアンケート調査では、近隣の医療機関から跡地への進出に関心を示す声が上がっていましたが、開院延期によって計画の見直しを迫られる医療機関も出てきています。地域住民からは、医療サービスの継続性や質の低下を懸念する声が上がっており、市は迅速な対応を求められています。
住民説明会で不安の声噴出
2月に開催された住民説明会には約140人が参加し、跡地活用や新病院への交通アクセスなどについて多くの質問が寄せられました。「新病院と跡地の医療機関で、既存の2病院の機能を補えるのか不安」「一刻も早く誘致を決めてほしい」といった切実な声が聞かれました。
新市長の手腕が問われる、今後の展開は?
開院延期という想定外の事態に、新市長のリーダーシップが問われています。市民の不安を払拭し、地域医療の充実を図るために、市は透明性の高い情報公開と迅速な対応が求められます。今後の展開に注目が集まっています。
まとめ:地域医療の未来に向けた課題と期待
土壌汚染による開院延期は、伊丹市の医療体制にとって大きな課題です。しかし、この困難を乗り越え、市民に安心して利用してもらえる医療環境を整備することが重要です。市と市民が一体となって、地域医療の未来を切り開いていくことが期待されます。