本郷中学校・高等学校の「本数検」:男子の競争心を刺激する数学学習法

本郷中学校・高等学校は、かつて偏差値50に満たない学校でしたが、今では偏差値60を超える難関校として知られています。その躍進の鍵を握るのが、学校独自の数学検定「本数検」です。この記事では、本数検の魅力と、男子生徒の学習意欲を高める秘訣を探ります。

ゲーム感覚で数学力アップ!本郷名物「本数検」とは?

本数検は、約25年前、夏休み明けの宿題テストに代わる、生徒のやる気を高める取り組みとして誕生しました。中学1年生から高校3年生までが参加し、得点に応じて級・段位が認定される昇級システムです。当初は初段まででしたが、生徒たちのレベル向上に伴い、現在は参段まで設定されています。

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男子生徒の心を掴む!「本数検」成功の秘訣

本数検の成功は、男子生徒の特性を巧みに捉えた点にあります。一般的に、男性は競争を好み、昇進意欲が高い傾向にあります。本数検は、まさにこの競争心を刺激し、ゲーム感覚で学習に取り組めるよう工夫されています。

相対評価ではなく絶対評価を採用

本郷中学校・高等学校では、点数や偏差値による相対評価ではなく、設定された基準に達すれば合格となる絶対評価を採用しています。これにより、生徒たちは他人との比較ではなく、自身の成長に焦点を当てて学習に取り組むことができます。

協力と切磋琢磨を促進

数学科教諭の野村竜太氏によると、学校では生徒たちに「学校の外では学年順位は何の価値もない」と伝えているそうです。生徒同士が競争するのではなく、互いに教え合い、高め合うことを重視しています。

「本数検」が生み出す好循環:学習意欲の向上と学力伸長

本数検は、男子生徒の競争心を刺激し、ゲーム感覚で学習に取り組める環境を提供することで、学習意欲の向上に大きく貢献しています。生徒たちは、級・段位を目指して努力し、数学の楽しさを実感しながら学力を伸ばしています。

独自の検定システムで更なる進化

本数検は、生徒たちのレベル向上に合わせて常に進化を続けています。級・段位の設定や問題内容も、生徒たちの学習状況を綿密に分析し、改善されています。この柔軟性も、本数検が長年支持され続けている理由の一つと言えるでしょう。

まとめ:本郷式数学教育の真髄

本郷中学校・高等学校の「本数検」は、男子生徒の特性を理解し、競争心と学習意欲を巧みに結びつけた画期的な取り組みです。ゲーム感覚で数学を学ぶことで、生徒たちは楽しみながら学力を伸ばし、更なる高みを目指しています。この成功事例は、他の教育機関にとっても貴重な示唆となるでしょう。