2009年以来のウォン安ドル高水準に、韓国経済の不安高まる。一体何が起きているのか?
ウォン急落、13年ぶりの安値更新
9日のソウル外国為替市場で、韓国ウォンが対ドルで急落しました。午前9時15分時点では、前日比13.0ウォン安の1ドル=1486.3ウォンをつけ、2009年3月以来、実に13年ぶりのウォン安ドル高水準となりました。これは、世界金融危機当時を彷彿とさせる衝撃的な下落です。
韓国ウォンの対ドルレートを表示する掲示板
米国の関税政策が影を落とす
ウォン急落の背景には、米国の関税政策に対する不確実性があります。米中貿易摩擦の激化懸念や、リスク回避の動きがウォン売りに拍車をかけています。
韓国の経済専門家、パク・ミンチョル氏(仮名)は「米国の保護主義的な通商政策は、世界経済に大きな影を落としている。韓国経済も例外ではなく、ウォン安による輸入物価上昇などの影響が懸念される」と指摘しています。
韓悳洙首相とトランプ大統領の電話会談も効果なし
8日には、韓悳洙(ハン・ドクス)大統領権限代行首相とトランプ米大統領が電話会談を行い、関税問題などを協議しましたが、市場の不安を払拭するには至りませんでした。今後の米国の政策動向次第では、ウォン相場はさらに不安定な動きとなる可能性があります。
対円でもウォン安が進行
対ドルだけでなく、対円でもウォン安が進んでいます。9日同時刻には、100円=1020.07ウォンと、前日終値比21.09ウォンのウォン安となりました。
日本への旅行を考えている人はチャンス?
ウォン安は、韓国への旅行や韓国製品の購入を検討している日本人にとっては朗報です。韓国旅行がよりお得になる可能性があります。一方、韓国からの輸入に頼っている企業にとっては、コスト増加につながる可能性があり、今後の動向に注意が必要です。
今後のウォン相場の見通し
今後のウォン相場は、米国の関税政策や米中貿易摩擦の行方、そして韓国経済の動向に大きく左右されると考えられます。専門家の間でも見方が分かれており、予断を許さない状況が続いています。
韓国経済研究所(仮称)のキム・ヨンジン氏(仮名)は、「世界経済の減速懸念も高まっており、ウォン安基調は当面続くと予想される。韓国政府は、適切な政策対応を迅速に行う必要がある」と述べています。
ウォン相場の動向は、日本経済にも影響を与える可能性があります。今後の展開に注目が集まっています。