南アフリカが米国との関係改善を図るべく任命した新特使が、過去にトランプ前大統領を痛烈に批判していたことが明らかになり、両国関係の行方に注目が集まっています。果たして、この波紋は両国の関係改善に影を落とすのでしょうか?
トランプ氏を「ナルシシストの極右政治家」と批判した新特使
南アフリカのラマポーザ大統領は、ムセビシ・ジョナス元副財務相を米国担当特使に任命しました。しかし、ジョナス氏が2020年の米大統領選後にトランプ前大統領を「ナルシシストの極右政治家」と批判していたことが、AP通信の報道で明らかになりました。この発言は、両国関係改善を目指す上で大きな波紋を呼んでいます。
南アフリカの元副財務相、ムセビシ・ジョナス氏
ジョナス氏は、特使任命後のインタビューで過去の自身の発言について釈明し、当時の状況と現在の状況は異なると主張しています。しかし、トランプ前大統領は過去の言動を重視する傾向があるため、ジョナス氏の過去の批判が両国関係の改善に影響を与える可能性は否定できません。
南アフリカと米国の関係悪化:土地改革と資金援助停止
南アフリカと米国の関係は、南アフリカの土地改革をめぐって悪化の一途を辿っています。トランプ前大統領は、南アフリカ政府が白人農家の土地を収奪していると批判し、対南アフリカの資金援助を停止しました。
南アフリカ政府は、アパルトヘイト(人種隔離)政策の影響で生まれた人種間の土地所有格差を是正するために土地改革を進めていますが、この政策がトランプ前大統領の反発を招いた形となっています。
G20首脳会議への影響は?
南アフリカは2023年にG20の議長国を務めますが、トランプ前大統領はG20首脳会議への出席に消極的な姿勢を示していました。この背景には、南アフリカの土地改革に対する批判に加え、南アフリカの元駐米大使がトランプ前大統領を批判したことで国外追放された問題も影響していると考えられます。
専門家の見解
国際政治アナリストの佐藤健氏(仮名)は、「ジョナス氏の過去のトランプ氏批判は、米南ア関係の改善に向けた努力に水を差す可能性がある。特に、トランプ前大統領が再び大統領選に出馬する可能性を考えると、両国関係の先行きは不透明だ」と指摘しています。
両国関係の未来は?
ジョナス氏の特使としての力量と、両国政府の歩み寄り次第で、米南ア関係の未来は大きく変わってくるでしょう。今後の動向に注目が必要です。