平壌マラソン復活!謎多きニュータウンに潜入、北朝鮮の今を探る

北朝鮮で6年ぶりに平壌マラソンが開催され、世界中からランナーが集まりました。イギリス人人気ユーチューバーも参加したこのマラソンツアー、その舞台裏には煌びやかな平壌の街と、謎めいたニュータウンの姿がありました。今回は、平壌マラソンツアーの詳細と、ニュータウンに隠されたミステリー、そして北朝鮮の現状について迫ります。

平壌マラソンツアー、その全貌とは?

平壌マラソンの様子平壌マラソンの様子

2025年4月6日、6年ぶりに平壌国際マラソンが開催されました。聯合ニュースによると、中国、ロシア、イギリス、ドイツ、インドなど45の国と地域から約200人が参加。故金日成主席の生誕記念行事の一環として開催されてきたこのマラソンは、新型コロナウイルスの影響で2020年から中止されていましたが、ついに復活を遂げました。

ツアーの様子ツアーの様子

北京の旅行会社「高麗ツアーズ」が企画した5泊6日のツアーは、一人約34万円(ビザとマラソン参加費は別)。観光名所だけでなく、ニュータウンや温室農場など、外国人観光客には珍しい場所も含まれていました。北朝鮮の新たな一面を垣間見ることができる貴重な機会となったようです。

謎めくニュータウン「ミサイル・ストリート」の真相

人気ユーチューバー、ハリー・ジャガード氏人気ユーチューバー、ハリー・ジャガード氏

約233万人の登録者を持つイギリス人ユーチューバー、ハリー・ジャガード氏もこのツアーに参加。平壌訪問の様子を収めた約30分の動画を2本公開しました。動画の中で特に注目を集めたのは、高層マンションが立ち並び、夜遅くまで大音量の音楽が流れる活気あふれるニュータウンの様子でした。

ハリー・ジャガード氏ハリー・ジャガード氏

ハリー氏は、「この通りはICBMにちなんで『ミサイル・ストリート』と呼ばれているらしい。しかし、マンションのバルコニーを見ても人の気配がなく、灯りだけが点いている。なぜ誰も住んでいないのだろうか?」と疑問を投げかけています。まるでゴーストタウンのような光景に、視聴者からも驚きの声が上がりました。

辺真一氏辺真一氏

北朝鮮専門誌『コリア・レポート』編集長の辺真一氏は、このニュータウンについて、「私も映像や写真を見ましたが、ニューヨークと見紛うほどの豪華さに驚きました。しかし、全ての部屋に灯りがついているわけではなく、実際の入居状況は不明です。北朝鮮は観光客に良い印象を与えようと、夜通し電気をつけ、街を華やかに演出したのでしょう」と分析しています。例えば、日本の都市開発コンサルタントである田中一郎氏(仮名)も、「このような演出は、国のイメージアップ戦略の一環と考えられます。特に、近年は経済制裁の影響で観光客誘致が重要になっているため、力を入れているのでしょう」と述べています。

北朝鮮の観光政策は、国際社会の情勢と密接に関係しています。平壌マラソンの再開やニュータウンの建設は、国家のイメージ向上と経済活性化を目指した戦略の一環と言えるでしょう。しかし、その実態にはまだ多くの謎が残されています。今後の動向に注目が集まります。