仕事でストレスが溜まり、つい暴飲暴食してしまった経験は多くの人にあるでしょう。専門家によると、私たちのメンタル状態と食欲には密接な関係があり、特に食欲抑制ホルモンである「レプチン」が大きく関わっています。本記事では、最新科学の知見に基づき、ストレスがどのように食行動に影響を与えるのかを詳しく見ていきます。
ストレス下での食欲の変化と具体的なシナリオ
仕事のストレスが溜まると、無性に炭水化物や脂肪分が多いものが食べたくなると感じたことはありませんか?朝、メールをチェックした瞬間から予定が狂い始め、問題対処や難しい対応に追われる一日。パフォーマンスが落ちてもやり遂げなければならず、一日を終える頃には心身ともに疲れ果て、無力感に襲われる。こうした状況では、食事が唯一の慰めのように感じられることがあります。例えば、ダイエット中だとわかっていても、ジャンクフードに手が伸びそうになる…これは多くの人が経験する状態です。
ストレスを感じやすい状況での過食をイメージした写真
不安感と食欲抑制ホルモン「レプチン」の関連性
さらに、予期せぬ出来事が起きると不安感が増し、食欲に大きな影響を与えます。例えば、終業間際に上司から「1時間後に電話できるか」とだけ連絡が来た場合。具体的な内容が不明なため、脳は最悪のシナリオ(解雇など)を想像し始め、パニックに陥る可能性があります。オンラインワークでは仕事とプライベートの境界が曖昧になりがちで、このような不安が常に付きまとうことも、ストレスを増幅させる要因となります。
このような強い不安やストレスを感じている時、私たちはしばしば「理性的な判断力」を失ったかのような感覚に陥り、目の前にある簡単で便利な不健康な食べ物を選んでしまいがちです。専門家は、この現象に食欲をコントロールするホルモン、特にレプチンが複雑に関与している可能性を指摘しています。ストレスの種類や個人差によってメカニズムは異なりますが、脳とホルモンの働きが、私たちの「食べたい」という衝動に影響を与えているのです。
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ストレス下の食行動:理性か、本能か
なぜ、健康に良くないと分かっていながら、不健康な食事を選んでしまうのでしょうか。確かに、疲れている時はヘルシーな料理を作るより、ジャンクフードの方が準備が簡単で時間もかからないため、「手軽だから」と合理化してしまう側面はあります。しかし、その背景には、ストレスや不安によって引き起こされる脳内物質やホルモンの変化が、私たちの理性的な判断を鈍らせ、本能的な欲求に従いやすくさせているという、より深い理由が存在します。
疲労や不安といったストレスは、単に気分を落ち込ませるだけでなく、私たちの食欲や食行動に直接的かつ複雑な影響を与えます。特に、食欲抑制に関わるレプチンなどのホルモンバランスが乱れることが、無性に特定の食べ物を欲したり、衝動的な過食につながる一因となり得ます。ストレスと食欲の密接な関連性を理解することは、自身の心と体の状態をより深く把握し、適切な対処法を考えるための第一歩となるでしょう。
【参考文献】
ウーマ・ナイド『最新科学が証明!人気精神科医が教える メンタルを強くする最強の食事術』(SBクリエイティブ)
Yahoo!ニュース (https://news.yahoo.co.jp/articles/27d2cf67b76caf97e418ec5a8ad97e98a912978c)