米の価格高騰が続く中、小泉進次郎農水相が流通に「ブラックボックス」があると指摘。大手卸の利益急増も明かし、議論を呼んでいる。
小泉農水相「流通は複雑怪奇」 大手卸の利益を暴露
5日の国会委員会で、小泉農水相は米の流通構造に対する強い疑問を呈した。「極めて複雑怪奇」「ブラックボックスがある」との指摘が多数寄せられていると述べた上で、驚くべきデータを公開した。特定の大手卸売業者の売上高が前年比120%超、そして営業利益に至っては対前年比でなんと500%または250%超にも跳ね上がっていると具体例を挙げたのだ。彼は「コメの流通状況を可視化したい」と述べた。
米の流通問題について国会で発言する小泉進次郎農水相
利益急増へのSNS反応と多段階流通の構造
国民が米高騰に苦しむ最中での大手卸の巨額な利益増加の暴露は、SNS上で大きな反響を呼んだ。「まさにブラックボックスだ」「利権の闇を暴いてほしい」といった賛同の声が多数投稿された。小泉大臣が特に問題視しているのは、銘柄米などの流通において最大5次問屋まで存在するとされる多段階の中間業者を経る構造だ。この複雑な経路が、中間コストや中間マージンを積み重ね、最終的な価格上昇の一因となっていると考えられている。
備蓄米にも見られる価格差
同様の中間マージン問題は、備蓄米の流通でも指摘されている。農水省の資料によれば、2025年3月から5月にかけての入札方式による備蓄米の流通では、政府はJAなどの集荷業者に対し5kgあたり1755円で販売している。しかし、これがスーパーなどの小売店で販売される際には2756円となっており、間に1000円以上の価格差が生じていることが明確に示されている。小泉大臣は6日の会見でも「どれぐらいのマージンを取っているのか、こういったことも含めて、やはり気になるところです」と述べ、透明化の必要性を重ねて強調した。
透明化への期待
米の価格高騰と流通の不透明性、大手卸の利益急増は、消費者の大きな関心事となっている。小泉農水相が提起したブラックボックス問題と透明化の意向が、今後の米流通の改善につながるか注目される。