学生の不登校や新入社員の退職が増える「魔の6月」。受験・就活の過熱で「いい大学・いい会社へ」という重圧に悩む若者は多い。エリートコースから外れた芸人シドニー石井さんが、自身の経験談を語り、大きな反響を呼んでいる。
シドニー石井氏のインタビュー時の写真
神童と呼ばれた幼少期と教育熱心な母
シドニー石井さんは人気YouTubeチャンネル「僕らの別荘」メンバーの芸人。幼少期は神童と呼ばれ、教育熱心な母のもと、幼稚園から週7日の習い事漬け。朝6時からの勉強が当たり前で、全国模試1位も経験。「それが普通だと思っていた」と振り返ります。
中学受験へのシフトと「勉強が好きじゃない」という違和感
小学4年から中学受験にシフト。厳しいカリキュラムで知られるSAPIXのαクラスで「俺は天才だ」と思いましたが、すぐに「勉強が好きじゃない」と気づき、成績は下降しました。
母親からのプレッシャーと反抗期
勉強しない息子に母は厳しく、夜遅くまで眠いのに勉強させられ、「夜中に机を叩かれた」経験も。現代なら教育虐待とも言える状況ですが、彼は「僕、反抗期が早くて（笑）。うるせーんだよババア！って言い返してましたよ」とあっけらかんと語ります。
シドニー石井氏がメンバーのYouTubeチャンネル「僕らの別荘」の集合写真 (松井ケムリ氏も)
幼稚園からの貯金で合格、そして「天才じゃない」現実
ろくに勉強せず中学受験に挑みましたが、なんと明治大学付属中を含む複数の難関校に合格。当時は「人生簡単」と思いきや、「別に僕は天才でもなんでもなかった。幼稚園からの勉強の貯金のおかげで、なんとか合格できただけ」だったと後から気づきました。
優等生からの脱却と「キャラ変」
入学後、彼が真っ先に挑んだのは「キャラ変」でした。優等生として友人から距離を置かれるのが嫌だったからです。「みんながふざけている輪に入りたいのに、『無理しないで』と気を使われたり」。小学生の頃から抱えていた、その違和感を解消しようとしたのです。
期待されたエリートコースから外れ、葛藤を乗り越え自分らしい道を選んだシドニー石井さん。「今が楽しい」と語る彼の経験は、進路や将来に悩む日本の若者たちにとって、一つの示唆となるのではないでしょうか。
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