米カリフォルニア州 引越し業者への差別的暴言動画拡散 女性が削除要求

5月22日、米カリフォルニア州北部ヒールスバーグで、女性が引越し業者の黒人男性2人に対し差別的な暴言を吐く動画がSNSで広く拡散され、波紋を広げている。この女性は現在、動画の削除を強く求めているという。

暴言の状況

地元ニュース局によると、動画が撮影された際、男性2人は引越し作業の最中だった。男性の一人が撮影した動画には、女性が荷台で作業中の男性に対し、「(引越し業者のトラックに道をふさがれているせいで)車が出せない」と、罵り言葉を交えて訴える様子が映っている。女性は自身の車に戻ると、黒人を指す蔑称を吐き捨て、扉を閉めた。

動画拡散後の女性の反応

引越し業者のキオンタ・ギルマーさんは、地元のニュース局に対し、動画がSNSに投稿された後、女性からDMが届いたことを明かした。DMには「動画を削除してほしい。私の人生が台無しになる」と書かれていたという。公開停止通告も送られてきたが、雑に書かれた印象を抱くような内容で、反省の色は見られなかったとギルマーさんは主張している。
女性は、動画を拡散したインフルエンサーやジャーナリストに対しても、法的手段を検討するといった文言を送っている。

米カリフォルニア州で引越し業者に差別的発言をする女性米カリフォルニア州で引越し業者に差別的発言をする女性

当事者の声:長年の経験と今回の違い

ギルマーさんは、一連の出来事をこう振り返る。「残念ですが、私が侮辱的な言葉を掛けられたり、同様の状況に遭ったことは今回が初めてではありません」と述べた。しかし、「発言者が責任を追及されている状況になったのは、今回が初めてです」と述べ、SNSによる拡散が加害者に責任を問う機会となったことに言及した。

この騒動は、米国社会に残る根深い人種差別問題の一例として注目されており、SNSによる動画拡散が加害者に責任を問う新たな動きにつながる可能性を示唆している。