米価高騰対策:小泉農相が米輸入前倒し 常本氏「価格対策にすり替わり」指摘

「サン!シャイン」に出演したコメ流通評論家の常本泰志氏が、小泉進次郎農相による主食用米のミニマムアクセス輸入前倒し決定について言及しました。これは、高騰が続く米価への対策として発表されたものです。

米価高騰や米輸入が議論された情報番組「サン!シャイン」を放送するフジテレビ社屋米価高騰や米輸入が議論された情報番組「サン!シャイン」を放送するフジテレビ社屋

米輸入前倒しの詳細と背景

農林水産省は、年間最大10万トンのミニマムアクセス輸入枠のうち、初回分として3万トンを対象に輸入を前倒しすると発表しました。通常9月に行われる入札を6月27日に実施し、9月下旬には事業者に引き渡す予定で、これにより約3カ月早く市場に出回ることになります。政府はこれまでも米価引き下げに向け備蓄米の放出を進めていましたが、在庫が減少しており、輸入米の投入で市場の不足感緩和を目指します。小泉農相はミニマムアクセスの前倒しに加え、「緊急輸入」も排除しない考えを示唆していますが、国内農家の反発が予想されハードルは高いと見られています。

最新の市場価格として、5月26日~6月1日に全国のスーパーで販売されたコメ5キロ当たりの平均価格は前週比37円安い4223円でした。これは約半年ぶりに2週連続での下落となりますが、小泉農相は「私の認識ではまだ十分下がってない」と述べています。農水省は6月12日、随意契約で放出した備蓄米が沖縄県を除く46都道府県の店舗で販売されたことを確認したと発表しています。

専門家・識者による議論

コメ流通評論家の常本泰志氏は、小泉農相の米価対策への姿勢について分析しました。常本氏は、江藤氏が農相だった当初は「価格にコミットしない」、つまり一定以上の価格を維持しつつ量を出すという方針だったが、小泉氏になってからは世論やメディアの影響を受け「価格にすり替わって」いると指摘。受けの良い価格対策へと方針転換したとの見方を示しました。

これに対し、カズレーザー氏は消費者行動の変化を指摘。「現状、消費者は安いおコメの方に向いている。高価格帯の米は、新米としての適正価格でも買わない。カリフォルニア米とそもそもどっちを選ぶかという選択肢に乗ってる時点で、高いおコメの需要がもうなくなっているってことなのでは」と問題提起しました。

常本氏は、カズレーザー氏の指摘に対し、一概には言えないとしつつも、高級米を求める一定の層はいると説明しました。一方で、スーパーで米を購入する消費者が大半である現状では、店員に聞いても味は分からず、味よりも銘柄などで判断しがちな実態があると語りました。その結果、他の食品と同じように「安けりゃいいや」という発想になりやすい状況があると述べました。そして、その米が農家によってどれだけ大切に作られたかという意識がないまま消費者が購入している現状に懸念を示しました。

結論として、常本氏は消費者が農家の努力を意識せず米を購入している現状に危機感を示し、米価高騰を巡る政府の対策と市場、そして消費者行動の変化について、今後の議論が続くことを示唆しました。

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