佳子さまブラジルご訪問、「また来ます」発言に見る伝統と変化

ブラジルと日本の外交関係樹立130周年を記念し、約2週間の日程でブラジルを訪問中の佳子さま。現地時間6月9日、日系人が多く住むパラナ州を訪問され、「また来ます」という再訪の意向を示すお言葉を述べられました。この発言は、これまでの皇室の伝統的なあり方と対比され、その真意に注目が集まっています。

ブラジルご訪問中、日系人の多いパラナ州で視察される佳子さまブラジルご訪問中、日系人の多いパラナ州で視察される佳子さま

パラナ州でのご活動と「再訪」の約束

6月9日、佳子さまはパラナ州内のロランジア、ロンドリーナ、カンピーナス、カンポグランデの4都市を巡られました。特に沖縄にルーツを持つ日系人が多いロンドリーナでは、パラナ日伯文化連合会を訪問。そこでの桜の植樹に臨まれました。

植樹後、佳子さまは「お花見できるようになるのが楽しみですね」「(その時には)私も来てお花見したいと思います」と温かいお言葉を述べられ、和やかな雰囲気に包まれました。この再訪を示唆するご発言は、現地日系の人々にとって大きな喜びとなったことでしょう。

皇室の伝統から見た「再訪」発言の特異性

実は、こうした明確な再訪意向を示す皇室の方々の発言は、これまでの伝統からすると極めて異例です。宮内庁関係者によると、天皇皇后両陛下をはじめ、皇室の方々は公務で訪れた場所で「また訪れる」と明言することは、責任あるお立場の重さからほぼありませんでした。一度お言葉にされた約束は必ず果たさなければならないため、安易な再訪約束は避けるのが基本的なスタンスとされてきました。

愛子さまとも共通する「寄り添う」ご姿勢

しかし、近年はこうした再訪示唆発言が、異なる角度から肯定的に捉えられる傾向が見られます。今年5月、能登半島地震の被災地を訪れた愛子さまも、志賀町の町長に「また来ます」とおっしゃいました。

前出の宮内庁関係者は、この背景に現代の皇室が大切にする「人々に寄り添う」という強い思いがあると解説します。愛子さまは困難に立ち向かう被災者を励ましたい一心から、佳子さまは様々な苦難を乗り越えブラジルの発展に貢献した日系の人々への心寄せから、あえてお気持ちを示されたと推察されるのです。これは、伝統的な枠組みを超えて国民や海外の日系社会との心の距離を一層縮めたいという、お二人の新しいご姿勢の表れと言えるでしょう。

今後のご活躍への期待

宮内庁内でも、愛子さま、佳子さまお二人の公務でのいっそうのご活躍への期待は日増しに高まっています。天皇皇后両陛下をはじめ、皇室の方々も、こうした人々との繋がりを大切にするお二人のなさりようが、今後様々な場面で示されることを願われていると拝察されます。

ブラジルとの絆を胸に

佳子さまはブラジルご訪問中、現地時間15日にアルゼンチンとの国境にある壮大なイグアスの滝をご覧になった後、民間機を乗り継ぎ、今月17日に帰国される予定です。

今回の「また来ます」というお言葉は、日系社会への深い心寄せと共に、これからもブラジルの人々とのを大切に守り続けていかれるという佳子さまのお気持ちを示しています。

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