SNSで初めて業界の問題点に言及してから14年。俳優の高岡蒼佑氏(43)は、芸能界だけでなく政治や社会についても自身の考えを率直に表明してきた。最近、高岡氏はX(旧Twitter)に「これが本当なら、本当に醜い業界だよね」と投稿し、波紋を広げている。引用された記事は、かつて芸能界のトップにいたとされる中居正広氏(52)が、一連の女性問題を機に業界内で孤立し、慕っていた後輩タレントや番組スタッフらが次々と距離を取り始めたという内容だった。この投稿は、中居氏を擁護するものではなく、「よく見ていたはずだ。噂だって。それでもすり寄っていた」と、芸能業界そのものの体質を批判する視点からなされていた。
高岡氏は投稿で、「見え方が良い時は擦り寄り、“ここ“に友情なんてものは、求めては行けない世界だなとかは、当たり前に思うし、改めて感じる」と述べている。芸能関係者によると、この言葉からは、高岡氏がかつて業界に友情や夢を求めていたものの、現実の「裏側」を知り、「そうではなかった」という思いが強くにじみ出ているという。
高岡氏は2020年に俳優業から引退している。彼の業界批判はこれが初めてではない。2011年には当時のTwitterで、「正直、お世話になった事も多々あるけど8(フジテレビ)は今マジで見ない。韓国のTV局かと思う事もしばしば」などと投稿し、大きな物議を醸した。この投稿からわずか5日後には所属事務所を退所している。その後も「芸能界の人間は鼻くそみたいな連中ばかり」といった過激な投稿をするなど、彼の業界への批判的な姿勢はたびたび波紋を呼んできた。一部の友人、例えばTBS系ドラマ『ルーキーズ』で共演した市原隼人氏とは今も交流があるようだが、彼の心底には芸能界への強い嫌悪感があることがうかがえる。
引退後の高岡氏は、YouTubeでの活動や格闘家としてのキャリアを経験した。2023年には一度Vシネマに出演したが、俳優業への本格的な復帰は明確に否定しており、芸能界からは意図的に距離を置いている状況だ。
高岡氏のように、芸能界とは一定の距離を置いている著名人は彼だけではない。NHKの連続テレビ小説『カーネーション』のヒロインを演じ、トップ女優となった尾野真千子氏(43)もその一人だ。彼女は2024年11月に出演した番組で、芸歴20年を迎えた頃に「私、何してんねやろな」と感じ、「芝居は好きだけど、なんかモヤモヤモヤモヤとしちゃった」と語っている。
芸能界から距離を置く女優・尾野真千子さん。沖縄への移住や仕事量の変化について語った
尾野氏は2021年に沖縄へ移住し、地元在住の男性と結婚した。現在は経営する居酒屋で女将として店を切り盛りしているという。完全に業界との関係を断ったような高岡氏とは異なり、尾野氏は現在もドラマに出演しているが、その本数は移住以前からかなり減り、年に1〜2本程度になっていると芸能関係者は指摘する。
中居氏のケースに見られるように、かつて芸能界内では当たり前のように行われていた人間関係や構造が、令和という時代になり次々と「闇」として露呈している。モデルのローラ氏も事務所との契約トラブルを経て、現在は芸能界とは距離を置き、環境保護や農業といった自身の活動をメインに行っている。業界の「闇」が明らかになっていくことで、それに嫌気がさし、芸能界と距離を置くことを選択するタレントは、これからさらに増える可能性がある。なぜなら、現代ではSNSなどを活用すれば、必ずしもマスコミや特定の事務所の強大な力に頼らなくても、個人で活動を展開する道が開かれているからだ。
もはや芸能界は、かつてのように「夢を見せてくれる」ような場所ではなくなってしまったのだろうか。業界の構造的な問題点が浮き彫りになる中で、著名人たちが自らのキャリアや生き方を見つめ直し、新たな居場所や活動スタイルを模索する動きは、今後も続いていくのかもしれない。
参考文献:
Source: Yahoo!ニュース / Smart FLASH / 女性自身