蓮舫氏、参院選出馬はいつ? 立憲民主党内の期待と「山尾ショック」懸念

元参院議員の蓮舫氏が、東京都議選候補の応援のため久々に街頭に姿を見せた。「長く充電してたから、久しぶりの街頭演説だったよ」と自身のインスタグラムに記したように、昨年の東京都知事選での敗北後、長い「充電」期間に入っていた。充電を終え、都議選応援に精力的に取り組む姿から、7月20日投開票の参院選、立憲民主党の全国比例区からの出馬観測が一気に高まっている。

参院選出馬が取り沙汰される蓮舫氏。最近の街頭演説より。参院選出馬が取り沙汰される蓮舫氏。最近の街頭演説より。

待望論と期待される「目玉」候補

立憲民主党内では、野田佳彦代表ら執行部と近く、高い知名度を持つ蓮舫氏を比例区の「目玉」として擁立する声が以前からあった。同党の国会議員A氏は、蓮舫氏の都議選応援を「参院選への肩慣らしともいわれる」とし、「親しい野田氏が代表ですし、本人は参院選に出る覚悟と聞いている」と明かす。昨年の東京都知事選では大敗を喫したものの、都議選での演説を見る限り「まだまだ人気はある。蓮舫氏が比例区で出馬すれば、大量得票が期待できます」と、待望論を口にする。

15年前、白ジャケット姿で活動する蓮舫氏。精力的な活動の象徴。15年前、白ジャケット姿で活動する蓮舫氏。精力的な活動の象徴。

「山尾ショック」の再来懸念

しかし、立憲民主党内部では、蓮舫氏の参院選出馬に反対する意見も少なくない。特に、国民民主党が比例区で山尾志桜里氏を公認して支持率を低下させた経緯を目の当たりにした立憲の参院議員からは、「山尾ショックの二の舞が心配だ」「『蓮舫ショック』になったら党全体の勢いにかかわる」との懸念が出ている。

国民民主党の支持率急落に見るリスク

国民民主党では、山尾氏の公認検討が報じられた後のSNSでの批判炎上、玉木雄一郎代表主導での公認内定、それに続く支持率急落、記者会見での過去問題に関する釈明不足によるさらなる批判拡大、会見翌日の公認取り消し、山尾氏の反発、そして今も続く党内混乱といった一連の「山尾ショック」が党勢にダメージを与え続けた。6月14、15日に朝日新聞社が実施した世論調査では、前回「野党トップ」だった国民民主党の支持率が13%から10%に下がり、立憲民主党が13%から12%と野党トップに立ったことからも、その影響は明らかだ。立憲民主党内では、同様のリスクが蓮舫氏擁立にも伴う可能性を警戒する声が出ている状況だ。

蓮舫氏の参院選比例区からの出馬は、立憲民主党にとって期待される大量得票力と、「山尾ショック」のような党勢への悪影響リスクという両刃の剣となる可能性がある。党内の慎重論も踏まえ、最終的な判断と今後の動向が注目される。