日産が誇る直列6気筒の名機「L型エンジン」は、スカイラインやフェアレディZといった歴史的なモデルに搭載され、国内外で今なお熱狂的なファンに愛されています。しかし、その基本設計であるSOHCは、現代的な高回転・高出力化においては限界も指摘されていました。長年にわたり多くのエンスージアストがワークスによるDOHC化を夢見てきましたが、ついに日産モータースポーツ&カスタマイズ株式会社(NISMO)が、この『L型エンジン DOHC化キット』の製品化を正式に発表しました。
L型エンジンとは?長年愛される名機とその限界
L型エンジンは、直列6気筒のレイアウトで、特にスカイラインやフェアレディZといった日産を代表するスポーツカーに搭載され、国内外問わず絶大な人気を誇ります。その頑丈さやチューニングの幅広さから、多くのカスタムベースとなってきましたが、基本的な設計がSOHCであることが、最新のエンジンと比較した場合の高回転性能や高出力化における一つの課題でした。
ニスモが製品化したL型エンジンDOHC化キット
ワークス「NISMO」による待望のDOHC化キット開発
この長年のユーザーからの要望に応えるべく、NISMOは2025年初頭のイベントで開発計画を発表していました。そして今回、その製品化が正式決定。特に注目すべきは、日産系のトップドライバーであり、自身も旧車に深い愛情を持つ松田次生選手が開発監修を務めている点です。彼のレースで培われた知見と、L型エンジンへの深い理解が、このキットの性能と信頼性を保証するものとなるでしょう。
開発を監修する日産系トップドライバー松田次生選手とNISMO L型DOHCエンジン
公開された開発ムービーでは、NISMOが手がけるDOHC化されたL型エンジンのプロトタイプが力強く走行する様子も収められています。ワークスチューンによる精緻な設計と製造品質は、サードパーティ製キットでは得られない高い信頼性を提供することが期待されます。
製品化が決定したNISMO L型エンジン用DOHCヘッドキット
発売は2025年秋を予定、L型チューニングの新たな時代へ
NISMO L型エンジンDOHC化キットの発売は、2025年秋が予定されています。これにより、L型エンジンが持つ本来のポテンシャルを最大限に引き出し、高回転・高出力化を実現することで、旧車レースやチューニングシーンに新たな可能性をもたらすでしょう。
NISMOロゴと新たに開発されたL型エンジン用DOHCヘッド
伝説的なチューナーが登場する漫画『湾岸ミッドナイト』では、L型チューンを極める描写がありますが、このNISMOキットの登場は、まさにフィクションが現実を追いつくかのようなインパクトを与えます。長年DOHC化を待ち望んだL型オーナーだけでなく、多くの旧車ファンやチューニングエンスージアストにとって、その性能を体感できる日が待ちきれません。
様々な角度から見たNISMOチューンのL型DOHCエンジン
日産ワークスであるNISMOが、満を持して投入するL型エンジンDOHC化キット。これは単なる高性能チューニングパーツに留まらず、日本の自動車史に名を刻むL型エンジンの新たな可能性を拓く画期的な製品となるでしょう。2025年秋の発売が、今から待ち望まれます。