かつて勢いのあった国民民主党は、「山尾ショック」と呼ばれる出来事以降、支持率が大きく低下している。この問題に関し、党代表である玉木雄一郎氏(56)の対応が不適切だとの指摘が出ている。本記事では、関係者の証言に基づき、山尾志桜里氏(50)の公認取り消しに至るまでの経緯と、玉木氏の行動について詳報する。前編では玉木氏が「山尾切り」の決断を下した時期や、会見に関する「ウソ」について言及したが、今回はその後の玉木氏の「無責任なトンズラ体質」とされる側面や、他の関係者の評価に焦点を当てる。
国民民主党の玉木雄一郎代表、党内問題への対応が注目される
玉木氏の「無責任なトンズラ体質」とは
玉木氏の無責任体質は、今回が初めてではないとされる。昨年の衆院選で国民民主党候補として岡山1区から出馬した現赤磐市議の佐々木雄司氏(54)は、当時の経験を語った。佐々木氏は赤磐市議を3期10年務めた後、2023年に党岡山県連幹部から衆院選出馬を打診された。しかし、岡山1区は自民党の逢沢一郎氏の地盤であり、小選挙区での当選は難しいと考え、当初は固辞していたという。これに対し、県連側は小選挙区と並行して「比例単独1位でも登録する」という重複立候補を提案した。佐々木氏は約束が守られるか不安を覚え、党幹事長の榛葉賀津也氏から確約を得たほか、10年来の付き合いがあった玉木氏からも直接「岡山1区で必ず議席を取らせるから」との言質を得て、出馬を決意した。ところが、選挙直前になると佐々木氏を含め3人の候補者が中国ブロックの比例名簿で1位に並記される事態となった。その結果、佐々木氏は落選した。選挙後、玉木氏に抗議しようと携帯電話に何度も連絡したが全く応答がなく、事務所に連絡しても梨のつぶてのままだったという。佐々木氏は、「候補者を使い捨ての駒のように扱う政党に未来などあるはずがありません。玉木氏には本当に失望しました」と述べている。
「玉木の取った行動はひど過ぎる」第三者の厳しい評価
10日の山尾氏の出馬会見に出席したベテランカメラマンの堀田喬氏(79)も、玉木氏への評価は厳しい。堀田氏は、「山尾氏のスキャンダルも大きな問題だが、『どっちもどっち』という声もある中で、彼女は3時間に及ぶ会見で批判に立ち向かい、出馬に必要な最低限の条件を乗り越えようとする姿勢を見せた。それに対し、玉木氏が取った行動は、自身の保身のために慌てて関係を断ち切り、その後は何も知らないふりをするというものだ」と述べ、その対応を「ひど過ぎる」と厳しく批判した。
一連の関係者の証言からは、国民民主党代表である玉木雄一郎氏が、山尾志桜里氏の公認取り消し問題や、衆院選候補者の扱いにおいて、「無責任」「不誠実」と見なされる対応を取っていた実態が浮かび上がる。特に、候補者への約束を反故にしたとされる佐々木雄司氏の事例や、会見対応における第三者の厳しい評価は、玉木氏のリーダーシップや党の将来に疑問符を投げかけるものと言えるだろう。