BreakingDown格闘家、大谷バットでコカイン密輸容疑逮捕

警視庁は6月18日、格闘技イベント『BreakingDown』への出場経験がある格闘家、笠井ヨシヒロことカサイ・ビリアヌエバ・エドアルド・ヨシヒロ容疑者(40)を麻薬取締法違反(営利目的輸入)容疑で逮捕した。米国からの国際貨物にコカイン約1.8kg(末端価格約4700万円)を隠して密輸したとされる。

大谷バットに隠された巧妙な手口

カサイ容疑者が昨年7月18日に行ったとされる密輸では、東京税関の検査でコカイン約1.8kgが発見された。コカインは、内部をくりぬかれた木製バット11本の中に隠されていた。これらのバットには野球選手のアイコンである大谷翔平選手のイラストが描かれていたという。さらに、不審を避けるカモフラージュとして、7個のグローブと一緒に梱包されていた。
野球用品一式は、米国から東京都江戸川区内のアパート宛てに発送された。自宅とは異なる住所を利用するなど、計画的な犯行がうかがえる。

薬物密輸に使われた、大谷翔平イラスト入りバットと野球用品。カモフラージュの手口。薬物密輸に使われた、大谷翔平イラスト入りバットと野球用品。カモフラージュの手口。

容疑者の背景と専門家の分析

逮捕容疑のカサイ氏は格闘家「笠井ヨシヒロ」として活動。ボクシングやブラジリアン柔道経験があり、2021年11月の『BreakingDown』ではKO勝利を収めている。周囲には「俺は暴力すぎ、強すぎ」などと、自身の戦闘能力を誇示することもあったという。
元神奈川県警刑事の犯罪ジャーナリスト・小川泰平氏は、この事件について見解を述べている。「大谷翔平選手やメジャーリーグの人気に乗じた巧妙な犯行と言える。米国で観戦し、現地で野球グッズを購入して送るのは自然に見えるからだ。自宅以外への送付も手慣れており、以前から同様の犯行を繰り返していた可能性が高い」と分析する。
カサイ容疑者は20日に送検されており、警察は認否を明らかにしていない。現在、警察はカサイ容疑者が国内での違法薬物密売にも関与していたとみて、コカインの詳しい入手ルートを含め、捜査を進めている。

薬物密輸容疑で逮捕されたBreakingDown格闘家、笠井ヨシヒロ容疑者薬物密輸容疑で逮捕されたBreakingDown格闘家、笠井ヨシヒロ容疑者

人気格闘家による、人気スポーツ選手に絡めた異例の薬物密輸事件として注目が集まっている。巧妙な手口と容疑者の背景が明らかになるにつれて、事件の全容解明と国内流通ルートの特定が警察の今後の捜査の焦点となる。

出典: FRIDAYデジタル / Yahoo!ニュース