名称は似ていても全然違う?横国と横市、『大学図鑑!』で見る学部比較

多くの受験生や保護者に選ばれる大学案内の決定版『大学図鑑!』の最新版が出版されました。5000人以上の現役生・OB・OGの生の声をもとに作られた本書から、今回は特に問い合わせの多い2つの大学に焦点を当てます。かつて「横浜大学」の名称を巡って争った過去を持つ国公立の横浜国立大学と横浜市立大学。名前は似ていますが、教育内容や学生の雰囲気にはどのような違いがあるのでしょうか?本記事では、『大学図鑑!2026』の内容をもとに、両大学の学部を中心に比較します。

横浜国立大学と横浜市立大学:学部構成の徹底比較

『大学図鑑!2026』が比較する最初のポイントは、両大学の「学部構成」です。名称が似ているため混同されがちですが、提供される学びの分野は大きく異なります。

まず、横浜国立大学には教育学部、経済学部、経営学部、理工学部、都市科学部の5学部があります。特に経済学部と理工学部は、大学の看板学部として知られています。教育学部は教員養成に特化しており、小学校教諭一種の免許取得が必須ですが、教員になる学生が少ないという声もあります。経済学部は、貿易関連施設が充実しており単位取得が比較的容易な一方、「ゼミの選択が就職活動の成否に露骨に影響する」という学生の声も掲載されています。経営学部は、横浜国立大学と神戸大学にしかない珍しい学部です。理工学部は化学・生命、数物・電子情報、機械・材料・海洋の3系から成り、体系的な教育プログラムを提供しています。2017年に新設された都市科学部は、文理横断的なプロジェクト学習が特徴です。

大学キャンパスを歩く学生のグループ。横浜の大学生活のイメージ。大学キャンパスを歩く学生のグループ。横浜の大学生活のイメージ。

対する横浜市立大学は、国際教養学部、国際商学部、理学部、医学部、データサイエンス学部の5学部で構成されています。1年次は全学部共通の教養科目が中心です。国際教養学部には教養学系と都市学系があり、「国際と名がつくだけで英語をあまり使わない」という声がある一方で、帰国子女が多いという特徴も挙げられています。国際商学部では、2年次以降の海外留学やインターンシップが推奨されています。理学部は理学科のみで、物理学、化学、生物学を横断的に学ぶカリキュラムです。医学部は看護学科と医学科の2学科制で、両学科とも少人数教育を行っています。2018年度に新設されたデータサイエンス学部は、文理を融合したカリキュラムが特徴です。

このように、横浜国立大学と横浜市立大学は名称こそ似ていますが、学部構成においてはそれぞれ異なる特徴を持っています。今回ご紹介したのは『大学図鑑!2026』で比較されている観点の一部ですが、学生や卒業生の「ナマの声」に基づく情報は、各大学のリアルな雰囲気や学びの内容を知る上で非常に貴重です。大学選びにおいては、こうした多角的な視点からの情報収集が重要となるでしょう。

[出典] 『大学図鑑!2026』 (一部抜粋・再編集), Yahoo!ニュース (ダイヤモンド・オンラインより)