ダイエットを始めようとする際、「ご飯の量を減らす」ことを考える人は多いでしょう。糖質制限に代表されるこうした方法が、「かえって太りやすく、痩せられない原因になる」と指摘するのは、臨床栄養医学指導士でトレーナーの高木拳斗氏です。本記事では、高木氏の著書『「モリモリ食べたい!」「運動嫌い」でもなんとかなる 40代からのゼロリバウンド・ダイエット』から一部抜粋・編集し、約2000人のダイエット指導実績を持つ著者が提唱する、40代からでもご飯をしっかり食べて「痩せやすい体」を作る方法とその理由を伝えます。
太ってしまった原因は「食べ過ぎによるカロリーオーバーだ」と思われがちですが、痩せるか太るかを左右するもう一つの重要な要素が「代謝」です。代謝が低いということは、消費カロリーが少ないということ。特に代謝が低下しやすい更年期世代(40代以降)になると、若い頃に比べて「痩せにくくなった」と感じる人が多くなります。同じ食事量でも、代謝が低いほど痩せにくいのはそのためです。過去に糖質制限やファスティングを経験したことがある人、あるいは痩せてはリバウンドを繰り返すダイエットの泥沼から抜け出せない人は、特に注意が必要です。まず最優先すべきは代謝を上げること。その方が、はるかに効率的に痩せられるからです。
摂取カロリーをただ減らすのではなく、適切に「しっかり食べて」摂取カロリーを確保し、「糖質を摂る」ことを大切にしてください。これが、代謝を上げて効率よく痩せ、二度と太らない体を作るためのダイエット法の提案です。
代謝を上げて痩せるための食事方法
食べて痩せるための大前提は、まず1日3食きちんと食事を摂ることです。これにより、食後の血糖値が安定しやすくなり、食欲をコントロールできるようになり、もちろん代謝も向上します。1日1〜2食にすると、空腹時間が長くなりすぎるため、食後の血糖値が急激に上昇下降し、低血糖を引き起こしやすくなります。低血糖は体にとって危機的な状態であり、強い空腹感が生じて食べ過ぎてしまうリスクが大幅に高まります。
代謝を上げて効率よく痩せるための健康的な食事イメージ
基本は「和定食」、朝食からしっかり食べる
3食きちんと食べる際の基本となるのが「和定食」のようなバランスの取れた食事です。主食(ご飯)、主菜(魚や肉)、副菜(野菜やきのこ類、海藻類など)が揃った形は、体に必要な栄養素をバランス良く摂取でき、代謝維持・向上に役立ちます。特に朝食は代謝を目覚めさせるために非常に重要です。朝からしっかりと栄養を摂ることで、その日のエネルギー消費を促し、血糖値の安定にも繋がります。
まとめ
40代からのダイエット成功の鍵は、単なるカロリー制限や糖質制限ではなく、「代謝を上げる」ことにあります。代謝を上げるためには、1日3食、特に朝食をしっかり摂り、バランスの取れた食事(和定食スタイル)を実践することが効果的です。適切に糖質を含む食事を摂ることで、血糖値が安定し、無駄な空腹感を抑え、結果として効率よく健康的でリバウンドしにくい体を作ることができます。
出典: 高木拳斗著『「モリモリ食べたい!」「運動嫌い」でもなんとかなる 40代からのゼロリバウンド・ダイエット』