皇后雅子さま 広島訪問の装い:31年の時を経て受け継がれる品格

2025年6月、天皇皇后両陛下が広島を訪問し、戦後80年の節目に戦争犠牲者を慰霊されました。これは皇后雅子さまにとって、皇太子妃時代以来31年ぶりとなる広島訪問です。本記事では、即位後と皇太子妃時代、二度の広島訪問における雅子さまの装いを比較し、その変化と不変性から見える品格とメッセージに迫ります。

即位後初の広島訪問:2025年の「静謐」な装い

2025年6月19日、両陛下が広島平和記念公園の原爆慰霊碑を訪れ、白百合を供えられた際、皇后雅子さまは明るいグレーのセットアップをお召しでした。これに白の帽子と白のパンプスを合わせられ、全体として落ち着いたトーンと洗練されたシルエットを構築されています。この装いは、厳粛な追悼の場にふさわしい静けさ、深い敬意、そして厳かさを湛えており、祈りの気持ちを表すかのようです。

2025年6月、戦後80年の節目に広島を訪問された天皇皇后両陛下。グレーのセットアップをお召しの皇后雅子さま。2025年6月、戦後80年の節目に広島を訪問された天皇皇后両陛下。グレーのセットアップをお召しの皇后雅子さま。

皇太子妃として初めての広島訪問:1994年の「凛とした」装い

遡ること31年前、1994年に皇太子ご夫妻(当時)として初めて広島を訪問された際、原爆慰霊碑に白い花を供えられました。その時の雅子さまは、ネイビーのワンピースに白いリボンがあしらわれたクラシカルな帽子を選ばれていました。肩のボックスシルエット、やや長めの袖丈といったデザインは、当時の30代というお若さの中に、落ち着きと同時に未来への希望を感じさせる凛とした立ち姿を際立たせていました。

31年の時を経て:装いに見る変化と受け継がれる品格

1994年のネイビー、そして2025年のグレー。色合いは異なりますが、両方の装いには「静けさ」と「深い敬意」という共通するメッセージが見て取れます。派手な装飾を避け、シンプルかつ端正なスタイルを貫くことで、慰霊の場への真摯な思いと犠牲者への追悼の気持ちがにじみ出ています。雅子さまのファッションは、皇后という立場へと進化し、場に応じて最適化されつつも、皇族として国民に「寄り添う姿勢」と内面の「芯のある美しさ」を失うことはありません。31年ぶりに広島の地に立たれたそのお姿は、まさに時代を超えて受け継がれる品格、そして平和への変わらぬ祈りを象徴していると言えるでしょう。

皇后雅子さまの二度の広島訪問における装いの比較は、単なるファッションの変遷を超え、ご自身の立場や経験が深まる中で、慰霊の場に対する変わらぬ敬意と、国民に寄り添うという皇族としての本質的な役割をいかに大切にされているかを示しています。これらの装いは、雅子さまの品格、平和への祈り、そして未来への希望を静かに物語っています。

出典:Yahoo!ニュース (記事タイトル: 天皇皇后両陛下、広島ご訪問「雅子さまの装い」31年前と比較できる写真…受け継がれる品格の背景に)