ゼンショー傘下でロッテリア激減 「ゼッテリア」大量出店の舞台裏

ロッテリアという名称は前運営会社のロッテとカフェテリアを組み合わせた造語であり、現在の親会社であるゼンショーホールディングスのもとで継続使用されることは、やや異質に感じられます。ゼンショーによる買収後、ロッテリアの店舗数は大幅に減少し、代わりに新たなブランド「ゼッテリア」としての出店が急速に進んでいます。これはゼンショーの店舗戦略の一環であり、ロッテリアが実質的にブランド転換を進めている現状を反映しています。

ロッテリア店舗の激減と「ゼッテリア」への転換

実際、2023年1月1日時点で日本全国に358店舗存在したロッテリアは、2025年6月19日現在では222店舗にまで減少しました。わずか2年半の間に136店舗、実に38%もの店舗が姿を消した計算になります。これらの減少した店舗の一部は不採算による純粋な閉店ですが、主要な立地にある店舗は、順次「ゼッテリア」としてリニューアルオープンしています。ロッテリアとしては「大量閉店」と見えますが、実態は「ゼッテリア」としての「大量出店」に他なりません。

主要店舗での「ゼッテリア」化進行

この転換は着実に進んでおり、買収から約5ヶ月後の2023年9月には、ロッテリア田町芝浦店が「ゼッテリア」第1号店としてリニューアルオープンしました(「ゼッテリア」の店名は「絶品バーガー」と「カフェテリア」の組み合わせです)。さらに、2025年3月28日には日本の顔とも言える銀座数寄屋橋の交差点に面した店舗が、そして5月27日には地域住民に長年親しまれてきた京阪出町柳駅前の店舗が、それぞれ「ゼッテリア」へと看板を掛け替えました。これはゼンショーが本格的に「ゼッテリア」を事業の柱として展開していく強い意志の表れと言えるでしょう。

ゼッテリアのモーニングメニューと戦略

ゼッテリアのモーニングメニューは、開店から朝10時30分まで提供されています。ロッテリア時代の人気メニューを踏襲しつつも、ゼンショーが得意とするコストパフォーマンスを追求し、独自のブラッシュアップが進められています。提供されるのは9種類のハンバーガーと3種類のスイーツです。

ゼッテリアのモーニングメニュー「ソーセージエッグマフィン」とコーヒーゼッテリアのモーニングメニュー「ソーセージエッグマフィン」とコーヒー

以下は主なモーニングメニュー(単品価格)です。

  • ソーセージマフィン 税込290円
  • ソーセージエッグマフィン 税込340円
  • ソーセージエッグレタスマフィン 税込390円
  • ベーコンエッグサンド 税込290円
  • ベーコンエッグチーズサンド 税込340円
  • BLTエッグサンド 税込390円
  • とろ〜りチーズバーガー 税込420円
  • えびバーガー 税込450円
  • タルタルチキンバーガー 税込420円
  • チュロ 税込220円

コンビやセットにすることで、さらに手頃な価格で提供されるメニューもあります。

この急速な店舗網の再構築は、ゼンショーグループがロッテリア買収によって得た資産を最大限に活用し、新たなファストフード事業「ゼッテリア」を早期に確立しようとする戦略の鮮明な現れです。全国的な「ゼッテリア」化の進行は、今後の日本のファストフード業界の勢力図にも影響を与える可能性があります。

参照元

東洋経済オンライン / Yahoo!ニュース