放送開始から今年で記念すべき30周年を迎える日本テレビ系の人気番組「ザ!鉄腕!DASH!!」に激震が走った。長年レギュラーとして番組を支えてきたTOKIOの国分太一氏(50)が、過去の重大なコンプライアンス違反を理由に番組を降板したことが明らかになったためだ。この問題は、国分氏が出演する他の全番組にも影響を及ぼし、今後の芸能活動にも暗い影を落としている。
TOKIOと「鉄腕DASH」の変遷
1995年11月2日にスタートした「ザ!鉄腕!DASH!!」は、アイドルグループTOKIOが体当たりで様々な企画に挑戦する画期的なバラエティ番組として人気を博してきた。当初はメンバー5人(城島茂、山口達也、国分太一、松岡昌宏、長瀬智也)で出演していたが、メンバーの脱退を経て、現在の体制に至っている。
まず、2018年には山口達也氏(53)が強制わいせつ容疑で書類送検(後に起訴猶予)され、所属事務所との契約が解除され脱退した。続いて、2020年3月末には長瀬智也氏(46)が自身の表現活動を追求するため、所属事務所を退所しTOKIOを脱退。これにより、TOKIOは城島、国分、松岡の3人体制となり、2021年4月からは「株式会社TOKIO」として新たなスタートを切った。城島氏が社長、国分氏と松岡氏が副社長を務め、3人で協力しながら「鉄腕DASH」をはじめとする活動を続けてきた。
特に「鉄腕DASH」は、福島県を舞台にした「DASH村」企画が東日本大震災からの復興支援にも貢献するなど、単なるエンターテインメント番組の枠を超えた存在となっている。TOKIOにとって、まさにグループの「顔」とも言える看板番組だった。
国分氏のコンプライアンス違反と降板発表
そんな番組の節目となる年に、今回のトラブルが発生した。6月20日、日本テレビは国分太一氏に過去に複数の重大なコンプライアンス違反があったことを公表。同日午前から一部スポーツ紙で報じられていた内容について、昼に日本テレビの福田博之社長が記者会見を開き、事実関係を認めた。
コンプライアンス違反とは、法令遵守だけでなく、社会規範や倫理に反する行為全般を指す。その範囲は広いが、会見で福田社長はプライバシー保護を理由に具体的な違反内容については言及を避けた。しかし、複数のメディアは、国分氏が番組制作スタッフに対し、セクハラ行為となる「卑猥な写真や動画の要求」を行っていたと報じている。
この問題を受け、国分氏は「鉄腕DASH」を降板することが決定。日本テレビ放送網の番組だけでなく、現在出演している全ての番組からの降板が明らかになった。日本テレビに続き、他局も同様の対応を取った形だ。
異例の対応と問題の深刻さ
注目すべきは、日本テレビの対応だ。国分氏の「鉄腕DASH」降板は、6月18日に日本テレビ側から本人に申し入れられ、同日の取締役会を経て承認されたと福田社長は会見で述べている。一タレントの番組降板が取締役会で承認されるのは異例であり、これは問題の深刻さを物語っている。通常、局全体を揺るがすような大きな問題でない限り、このような手続きは取られないとされる。
ハラスメント行為において最も重要なのは、被害を受けた側が不快に感じるかどうかである。今回の報道では被害者が「鉄腕DASH」の制作スタッフであると伝えられている。番組が30周年という記念すべき年を迎え、様々な企画が準備されていたことを考えると、制作スタッフとしては番組に迷惑をかけたくないという思いから、小さなトラブルであれば表面化させなかった可能性も考えられる。しかし、今回問題が公になったということは、被害者が「到底看過できない、絶対に許せないような悪質な行為」であったと感じたことを示唆している。
「過去に複数の重大なコンプライアンス違反」という日本テレビの発表からは、まだ報じられていない国分氏の他の問題行為が存在する可能性も否定できない。今回の件は、長年日本のエンターテインメント界で活躍してきた国分太一氏のキャリアに大きな転換点をもたらすとともに、「鉄腕DASH」の今後の展開にも影響を与えることは必至である。
出典:
- Yahoo!ニュース (Based on the provided source link: https://news.yahoo.co.jp/articles/1bde353675d9f208bb6225dc2f4c6e104b21092b)