小沢一郎氏、立憲民主党の内閣不信任案見送りを痛烈批判「こんな奇妙な話はない」石破政権への対応巡り波紋

参院選を間近に控え、政局の焦点の一つとなっていた内閣不信任案提出の是非。石破茂首相率いる内閣に対し、野党第一党である立憲民主党の野田佳彦代表は、結局最後まで不信任案を提出しなかった。この判断に対し、党内からは様々な声が上がっているが、特に立憲民主党の重鎮、小沢一郎氏からは厳しい批判が向けられた。終盤国会で繰り広げられたこの一幕を追う。

小沢氏が語る「内閣不信任案」の論理

6月16日、東京・永田町にある衆議院第一議員会館の小沢一郎氏の事務所で、同氏は静かに口を開いた。参院選を前にした政局の中、内閣不信任案が提出されなかったことについて、小沢氏は「不信任案が通らないと分かっている時は出しておいて、通るかもしれない、となれば出さない。こんな奇妙な話はないだろう」と強く批判した。

立憲民主党の小沢一郎氏、内閣不信任案提出見送りについて語る立憲民主党の小沢一郎氏、内閣不信任案提出見送りについて語る

同氏は、これは立憲民主党にとって「深刻なわが党の問題だ」と述べ、石破・自公内閣に対する「不信任」の意思表示を国民に示すべきだと主張した。「出さなければ、石破内閣を肯定している、と国民から見られちゃうわな」と、その政治的な影響を指摘した。

また、日本維新の会や国民民主党が不信任案に共同提出などで協力できるかという点に触れ、「今、不信任案を出したとして、維新や国民民主が反対できるか。反対したり、棄権することは、自公政権を認めるということだろう。そんなことをやったら、国民からそっぽを向かれるよ」と述べた。これにより、「不信任案は出せば成立するってことなんだよ。もう時間がないんだから、早く決断してほしいね」と、提出すれば可決される可能性があったとの見解を示した。

小沢氏のこうした思いとは裏腹に、内閣不信任案が提出されることはなく、参院選を前に政権との対決姿勢を明確に示したかった党内からは、今も批判の声が上がっている。

今回の内閣不信任案提出見送りは、参院選を控えた野党の戦略、特に立憲民主党の内部事情を浮き彫りにした。小沢一郎氏の厳しい言葉は、党が進むべき道、そして政権への対峙のあり方について、改めて問いを投げかけるものと言える。選挙戦が本格化する中、この判断が今後どのような影響を与えるか、注目される。

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